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新薬を21日間で設計可能にするAIスタートアップの実力

9/14(土) 8:30配信

Forbes JAPAN

香港に本拠を置く「Insilico Medicine」は9月2日、独自開発したディープラーニングシステムを用いて、人間の肺などの臓器に発生する線維症の治療薬開発が可能であると発表した。

「GENTRL(generative tensorial reinforcement learning)」と呼ばれるこのシステムは、わずか21日間で6種類の治療薬を特定し、そのうちの1つについてはマウスを使った実験で有望な結果が得られたという。この研究は、「Nature Biotechnology」で発表され、モデルのコードはGithubで公開されている。

「我々は、AI戦略とAIイマジネーションを組み合わせた」とInsilicoのCEO、Alex Zhavoronkovは語った。

Zhavoronkovは、2014年にInsilicoを創業した。彼はコンピュータサイエンスを学び、ATIに勤務した経歴を持つ。ATIが2006年にAMDに買収されると、Zhavoronkovは老化を遅らせる研究をするためバイオテクノロジー分野に進み、ジョンズ・ホプキンズ大学で修士号を、モスクワ大学で博士号を取得した。

モスクワ大学では、機械学習を用いて生物系における分子間の物理的相互作用を明らかにする研究を行った。彼は卒業後、数社で勤務した後、ボルチモアに戻ってInsilicoを設立した。

Insilicoが当初目指したのは、分子に関するライブラリに対してディープラーニングを適用し、薬剤標的を見つけることだった。しかし、Zhavoronkovはイアン・グッドフェローによる機械学習の研究に魅了され、すぐに方向性を変更した。

「我々は、マシンがライブラリをスクリーニングすることなく、特定の性質を備えた新しい分子を想像することができないかと考えた」とZhavoronkovは話す。彼によると、分子のスクリーニングは創薬の分野では従来から行われている手法だが、機械学習を用いてプロセスを迅速化したいと考えたという。

Insilicoは2016年に最初の研究結果を公表し、これによって競争の激しいバイオテクノロジーとAIの領域において投資家から出資を得ることに成功した。Pitchbookによると、同社はこれまでに2430万ドルを調達しており、評価額は5600万ドルに達する。

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最終更新:9/14(土) 8:30
Forbes JAPAN

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