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内製化にこだわる日本企業には難しい大胆革新

9/14(土) 8:00配信

東洋経済オンライン

 「日本企業は年功序列だからダメだ」

 「役立たずの中間管理職が多すぎる」

 こんな話をよく耳にします。でも、これは単にシニア層に責任を押しつけているだけで、実際に実力ある若手があふれているかと言うと、はなはだ疑問です。

拙著『AI救国論』でも詳しく触れていますが、日本経済の失われた20年、いや30年を生き残っている企業は、どこも広く若手に活躍の機会を与えていますし、IT業界、とくにAI系では、若手が一気に昇進するファストパスは今や珍しくもありません。これからのICT時代にシニアも若手も関係ないのです。

■日本はエンジニアを正当評価できていない

 今に始まったことではありませんが、日本の教育システムは、時代の流れにまったく追いついていません。ノーベル物理学賞を受賞した中村修二さんは、「日本の受験は単なるウルトラクイズ」だと言いましたが、いまだに志望校に受かるためだけの受験勉強に明け暮れ、いざ合格しても、アルバイトやサークル活動に若者が成長できる貴重な時間が費やされています。

 これは、同じ能力程度なら年が若いほど評価されるという「年齢補正の原理」から見ても、明らかなムダだと思います。

 最近、NECやソニー、あるいはファーウェイなどが高度な理系人材を破格の待遇で採用するというニュースが相次ぎましたが、アメリカや中国やインドなどに比べると、日本ではエンジニアの待遇が低く抑えられています。実際に手を動かすエンジニアより、営業や交渉など、口を動かして付加価値を生みだすコンサルタントのほうにキャッシュが流れているからです。

 それに加えて、もともと日本の企業にはテクノロジーをきちんと理解して仕事を発注できる管理職がほとんどいないので、受注する側に要求を丸投げするか、コンサル側の言いなりになってしまうことが少なくありません。

 某金融機関ではシステム構築に膨大な時間と予算をかけているのにいまだに完成していないらしく、業界で「サグラダファミリア」と揶揄されているケースもあります。ほかにも、コンサルタントに相談して見積もりをとったらケタが1つ2つ違っていたとか、納品されたが使えなかった、あるいは納品にさえ至らなかったというケースもあります。

 つまり、発注側のお客さんは本物の寿司の味がわからないので、受注する側が提供するカリフォルニアロールを、これが寿司だと思って食べている、そんな状況です。

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最終更新:9/14(土) 8:00
東洋経済オンライン

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