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聞こえる言葉が理解できない人が直面する危険

9/14(土) 6:30配信

東洋経済オンライン

話をしていて聞き間違いが多い、声は聞こえているのに言葉として理解できない。就職や転職あるいはアルバイト始めたことをきっかけに、そのような悩みを抱える人がいます。しかし、耳鼻科に行って聴力検査を受けても結果は「異常なし」。
こうした症状はAPDと呼ばれ、近年、注目を浴びつつあります。自分は該当するのか、聞き取りをよくするためにどういったことをすればいいのか、耳鼻咽喉科専門医で『聞こえているのに聞き取れないAPD【聴覚情報処理障害】がラクになる本』著者の平野浩二氏に聞きました。

【表】あなたは大丈夫? APDのチェックテスト

■簡易的な診断方法

 APDは、Auditory Processing Disorderの略で、「聴覚情報処理障害」と訳されます。次の項目をご覧ください。

□「え?」または「何?」という言葉を1日に少なくとも5回あるいはそれ以上言う
□しばしば言われたことを間違って理解している
□音の識別に関して困難を感じたことがある
□背景の音がするとすぐに気が散る
□聴覚チャンネルを通しての学習がうまくいかない
 これはAPDであるかを簡易的に診断できるチェックリストの一部です。

 APDの大きな特徴は、2つです。1つは、相手の声が「音としては聞こえているのに、言葉として聞き取れない」ことです。私は、年間200人ほどのAPDの患者さんを診察してきましたが、患者さんたちの代表的な悩みをご紹介しましょう。

・横や後ろから話しかけられると聞こえない
・飲み会などうるさい場所では相手の話がわからなくなる
・電話やテレビ会議で相手が何を言っているかわからない
・話している人の口元を見ないと理解できない

・「ちゃんと聞いているのか」と注意される
・画面に字幕がないと意味が理解できない
・仕事でお客さんの注文が聞き取れない
 APDのもう1つの特徴は、「聴力検査をしても異常は認められない」ことにあります。アメリカなどでは、かなり認知されていますが、日本においては、APDについての理解がまだまだ十分とは言えません。それゆえ、聞こえない理由がわからずに人知れず悩み、苦しんでいる人が少なくありません。当院を受診された患者さんを2人ご紹介します。

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最終更新:9/14(土) 6:30
東洋経済オンライン

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