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識者が語る業界の転機 グローバル・ゲーム・ビジネス・サミット【TGS2019】

9/14(土) 8:31配信

日経クロストレンド

次世代プラットフォーム、次世代通信規格「5G」、ゲームストリーミング、サブスクリプションなど、新技術や新ビジネスモデルが注目されている。それらのトレンドは、どこでターニングポイントを迎えるのか。各国の市場に詳しい識者8人がゲーム業界のターニングポイントについて語り合った。

【関連画像】米IGNのエグゼクティブエディターとしてゲーム・アニメ担当しているミランダ・サンチェス氏

 2019年9月12日、幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ 2019」のイベントステージ(ホール1)でグローバル・ゲーム・ビジネス・サミット「2020年を展望―世界の主要メディア・識者が語るゲームのターニングポイント」が開催された。壇上でディスカッションを繰り広げたのは、欧米、中国など各地のマーケット事情に精通したゲームジャーナリスト、アナリストなど識者8人。テーマは「次世代プラットフォーム」「ゲームストリーミング」「サブスクリプションモデル」の3つだ。

●次世代機の解像度は8Kへ

 次世代機では処理速度と解像度が向上し、8K表示が標準になるという点で、識者たちの見解は一致している。「8Kになったらもう、ゲーム画と写真の区別がつかないかもしれないね」とオソウスキー氏が期待を寄せる一方で、IGN JAPAN編集長のロブソン氏のように「8Kが標準の時代になっても4Kのプラットフォームを利用しているユーザーを切り捨てるわけにはいかない」と、ゲーム会社の負担増を懸念する声もあった。

 また識者たちは、プラットフォームがAI(人工知能)を搭載する日も遠くないとみている。音声による操作が可能になれば、通常のコントローラーを操作できない人でもゲームを楽しめるようになり、ゲームユーザーの裾野が広がる可能性が出てくるわけだ。サンチェス氏は「AIの性能は、他のメーカーとの差異化の要因になり得る」と話した。

ゲームストリーミングは定着しない?

 ゲームストリーミングについての識者たちの意見は懐疑的だ。というのも、ゲームストリーミングを快適にプレーできるかどうかは、通信速度に大きく左右されるからだ。

 ドレイク氏は「英国は国土があまり広くないので全国に高速なネットワークを張り巡らすことも比較的容易だが、それでもまだ格差がある。国土の広い米国や中国では地域によって通信速度に大きな差が出る可能性がある」と説明した。「北米でPlayStation Nowのサービスが始まったのが2015年。いまだにはやらないのは(通信環境の面で)時期が早すぎたから」とのブラウン氏の言葉は、ドレイク氏の発言をを裏付けるものだ。

 ブラウン氏は「これから先、ゲーム業界が成長するためには必要なものかもしれない」と付け加えたが、サンフン氏が放った「ゲームストリーミングを楽しめるほど高速な回線を使っているなら、ゲームソフトをダウンロードするにもそれほど時間はかからない」という一言がユーザーの気持ちを代弁しているようにも思える。

●マネタイズの方法は定額制か課金か

 ゲームの定額制遊び放題について中村氏は「中国でMMORPG(大規模多人数同時参加型オンライン・ロールプレイングゲーム)がいくつも立ち上がったとき、多くは定額制を採用していたが、5年後には大手を含め、ほとんどがアイテム課金制に移行した」とゲームを定額制にする難しさを語った。

 前田氏は「ゲームは音楽などより開発コストが高いので、サブスクリプションの収益だけで成立するビジネスモデルになりにくい。サブスクリプションのプラットフォームの上で、プレミアムなアイテムを販売できるようなハイブリッドな形をプラットフォーマーに提供してもらえないと、ゲーム会社は新作を出しにくくなってしまう。そのあたりをこれから探っていく段階だ」と締めくくった。

(文/堀井塚高、写真/木村輝)

最終更新:9/14(土) 8:33
日経クロストレンド

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