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コンパニオン潮流:衣装に秘められたものづくりの魂 分野比較編

9/14(土) 18:35配信

日経クロストレンド

 東京ゲームショウ2019(TGS2019)に華を添える各メーカーのコンパニオン。身にまとうのは各社のイメージに合わせたオリジナル衣装だ。意外と知られていないコンパニオン衣装の舞台裏を老舗衣装メーカー「ROCHE(ロッシュ)」のデザイナーに聞いた。第2回は異なる分野の衣装の違い。

【関連画像】コスプレ衣装はメーンのゲームキャラクターのイメージを大切にする。コンパニオンやレースクイーンとはまた違ったアプローチが必要となる

 ※バックナンバーは下部の【関連記事】からお読みいただけます

●レースクイーン衣装は「切れ込み」から「おしゃれ志向」に

 ロッシュ(東京・新宿)が手掛ける衣装のジャンルは多岐にわたる。例えばTGCもコンパニオン衣装だけでなく、ゲームキャラクターのコスプレコスチュームがある。それ以外にレースクイーンの衣装も多数製作している。イベントの分野が変われば、衣装の作り方はどのように変わるのだろうか。

 ロッシュのベテランデザイナーで、TGSでも多数の企業のコンパニオン衣装を担当してきた中島一生氏によると、以前は切れ込みの深い水着のイメージ一辺倒だったレースクイーンの衣装は、「最近はオシャレ志向になってきた。これまで使用していなかった、一般的な素材を使うようになったのも最近の傾向。ただ、(かつてのレースクイーンの)イメージとかけ離れてしまうため、素材をうまく掛け合わせるのは難しい」と話す。

 TGSに関しては、コスプレコスチュームは「その年のメーンとなるゲームキャラクターのイメージを何よりも大切にする」と中島氏。一方、コンパニオン衣装については予算の都合で、毎年変更する企業もあれば数年着回すメーカーもあるという。

重要な素材選び、機能性よりデザイン性

 生地にこだわる傾向は、近年のレースクイーン衣装もコンパニオン衣装も同様だ。ただコンパニオン衣装の場合は室内で着用することもあり、より発色や質感への要望が強い。

 クライアントからデザインのOKが出て(※関連記事「コンパニオン潮流:衣装に秘められたものづくりの魂 デザイン編」)、実際にモデルがサンプルを着てみると、布見本で選んだ生地でも動きづらかったり暑かったりすることもある。モデルから指摘があれば、クライアントを加えて話し合う。

 「例えば、通気性や伸縮性など機能性のある生地では、出したい色味が出せないこともある。そういったメリットとデメリットをきちんと説明したうえで、モデルとクライアントが話し合いで最終的に決めるが、機能性よりもデザイン性を選ぶ企業が多い」(中島氏)。ゲームの祭典という晴れ舞台だけに、見た目が重視される傾向にあるようだ。

 中島氏は、コンパニオン衣装を制作するうえで注意している点があるという。「衣装の露出などデリケートな部分には気をつかう。露出を多くしたいという企業もあれば、なるべく出したくないというところもあり、特にゲームショウなど子供も来場するイベントでは控えめにしたい企業が多いようだ」と、指摘する。

 ものづくりに懸けるデザイナーや製作の裏側を知れば、コンパニオンを見る目もまた違ってくるだろう。

 次回はコンパニオン衣装の製作会社がどのように選定されるかについて聞く。

(文/北川聖恵、写真/酒井康治)

最終更新:9/14(土) 18:35
日経クロストレンド

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