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高齢者の賃貸入居、拒否感を持つ大家は約6割に上るとの調査も

9/15(日) 16:00配信

マネーポストWEB

 高齢者が戸建てではなく賃貸に住む場合、「年齢制限」が待ち受ける。埼玉県在住の80代男性はこう語った。

「妻に先立たれ、広い家に1人で暮らすのが寂しくて戸建ての自宅を手放し、マンションを借りようと思ったのですが……。どの不動産屋でも“お貸しできる物件が見当たらない”と言われるばかり。

 1か月以上探し続けて、あるマンションのオーナーが承諾してくれたのですが、『あなたの子供さんが週に2~3回、様子を見に来るなら貸します』という条件を出されてしまった。仕方なく子供に頼み込み、ようやく借りることができたのです」

 NPO法人「住宅ローン問題支援ネット」代表で不動産コンサルタントの高橋愛子氏が解説する。

「賃貸契約は、一般的には70歳を超えるとかなり難航します。そのくらいの年齢になると、たとえば家の中で孤独死するリスクも高くなる。そうなった場合、次の入居者に貸すときの家賃を下げざるを得ないケースもある。オーナー側はそういったリスクを避けるために入居を断わっていると考えられます」

 公益財団法人「日本賃貸住宅管理協会」の2014年度調査によると、高齢者の入居に対して「拒否感」を持つ大家は約6割に上る。60歳以上の単身または高齢者のみの世帯の入居を不可とするケースも2割を超えた。

 同協会が実施した家賃債務保証会社へのアンケート(2016年)でも、60代で「審査が通りやすい」と答えた割合が49.1%あったのに対し、70代では同22.6%に半減している。

 評論家の宮本まき子氏は、この問題は社会全体で考えるべきだと指摘する。

「金融庁の発表した老後資金2000万円不足問題もあり、今後は少しでも定年後の資産を蓄えておこうと自宅を売却して安い賃貸に引っ越そうとする高齢者が増えてくるはず。特に今の60歳以上は一戸建ての持ち家がある人が7割を超えているという統計もあるので尚更です。

 ところが地方の空き家でさえ、高齢者は断わられることが多い。ある地方の不動産屋には、家賃2万円程度の家を求めて首都圏から高齢者が訪れるそうですが、『定年退職直後の65歳ぐらいの方までしか受け入れられない』と断言していました」

※週刊ポスト2019年9月20・27日号

最終更新:10/18(金) 19:23
マネーポストWEB

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