ここから本文です

トヨタとスズキの資本提携 豊田家と鈴木家の絆は永遠か

9/15(日) 7:00配信

NEWS ポストセブン

 3年越しのビッグニュースだった。8月28日、トヨタとスズキが資本提携を発表。2016年から進められてきた協議が実った形だ。全国紙経済部記者が語る。

「トヨタが960億円を出資してスズキ株を2400万株(5%)取得し、スズキは480億円分のトヨタ株(0.2%)を持つという内容でした。

 トヨタは過去、ダイハツや日野自動車の子会社化をはじめ、SUBARUなど多くの自動車メーカーと提携してきましたが、トヨタ株の所有を認める形をとったケースは、2017年のマツダとの提携以来2度目で、数少ない事例です。スズキが圧倒的なシェアを誇る世界第4位市場・インドでの強さが狙いにあるとみられている」

 今回の提携が実現したのは、豊田家と鈴木家の“絆”の強さによるところが大きいと見る向きもある。

「両社はどちらも自動織機会社としてスタートし、創業者の豊田喜一郎と鈴木道雄はともに静岡県出身。1975年の排ガス規制でスズキのエンジンが基準を下回った際には、トヨタがエンジンを提供するなど、スズキの窮地を救ってきた経緯もある。

 今回の資本提携は、そうした歴史の中で、鈴木修会長(89)が豊田章男社長(63)に申し入れて実現した。章男社長の父・章一郎名誉会長のことを、鈴木修会長は“兄のような存在”と慕ってきた。章男社長には、父が懇意にする鈴木修会長に協業を持ちかけられれば断わりにくいという思いもある。自動運転やエコカー技術に多額の研究開発費を投じるトヨタとの協業は、スズキの今後にとって非常に大きな意味を持つ」(同前)

 ただし、「100年に1度の変革期」といわれる自動車業界において、今後も“良好な関係”が続くとは限らないとの見方もある。経済ジャーナリストの有森隆氏が指摘する。

「来年はスズキの創立100周年、鈴木修会長も90歳を迎えます。そうした節目を機に、修会長が一線を退くという説がスズキの社内を駆け巡っている。そうなれば、章男社長が考えを変える可能性は十分あり得る。スズキとの資本提携はインド市場に強いというメリットで実現したが、現にスズキの“弱み”である自動運転技術の分野では、ソフトバンクと共同出資会社『MONET』を設立するなど“仲間作り”の手を業界外に広げているのです」

 両社の“蜜月”はいつまで続くのか。

※週刊ポスト2019年9月20・27日号

最終更新:9/15(日) 7:00
NEWS ポストセブン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事