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NYのペース・ギャラリーが8階建ての超メガサイズに!

9/15(日) 18:55配信

Casa BRUTUS.com

この秋、ペースが美術館並みのスケールに生まれ変わります。ギャラリー界に一体何が?

メガギャラリーという言葉をご存じだろうか? 圧倒的な財力と巨大な展示スペースを備え、グローバル展開する大規模ギャラリーの通称だ。4大メガギャラリーの一つ、ペースが大きく生まれ変わり、話題となっている。

NYチェルシーに誕生する新社屋は8階建て。面積およそ7000㎡、とこれまでの倍以上に拡大した。展示スペースは5フロアに及び、2階と6階には屋外彫刻ガーデンも! 美術館並みのスケールだが、それだけじゃない。イベントに対応可能なダイニングルームあり、リサーチに活用できる美術書ライブラリーもあり。希望すれば所蔵品を取りだし閲覧できる「オープン・ストレージ」までも完備した、アートを多角的に体験できる場となっている。

実は今、メガギャラリーのさらなる「巨大化」がめざましい。最大手のガゴシアンも現在拡大中、またデヴィッド・ズワーナーは、レンゾ・ピアノ設計の5階建て社屋が2021年に完成予定。ハウザー&ワースも来春、建築家アナベル・セルドーフによる5階建てビルをお披露目する。同じNYでも、中小ギャラリーは客の減少や、高い出展料がかさむアートフェアの激増で苦境に立たされ、次々と閉業や合併に追い込まれている。なぜメガギャラリーの巨大化、美術館化は急速に進んでいるのだろう? ペースのオーナー、マーク・グリムチャーに話を聞いた。

「これまでアートの価値は作品の稀少性や特別感にあるとされ、それは裕福な教養人だけが理解できるという認識に基づくものでした。ですがこの10年で価値体系は覆され、現在コレクターが買い求めるのはクリエイティブなコミュニティへと人を導く作品、そして国境を越えて鑑賞者の心に訴える作品です。私たちギャラリーはそれに応じて、アーティストと世界とを広く結びつける試みに積極的に挑んでいます」。そして誕生したのが新生ペース。年4回の音楽系エキシビションやダンス、映画やトークイベントを行うシリーズ「PACE LIVE」等、これまでにない企画を打ち出していく。

マーク言うところの「広く開かれ、人の集うギャラリー」は建築でも実現された。設計はホテル〈パブリック〉の内装や、リッチ層向けの新設私立校〈ジ・アヴェニュー〉で知られるボネッティ/コゼルスキー建築事務所。「滑らかな動線と、あふれる開放感が素晴らしい」。9月14日のオープン時には5フロアでそれぞれ展覧会がスタート。5・5Mの高さを誇る1階ギャラリーで、アレクサンダー・カルダーのモビール展が。3階の広々とした空間ではデヴィッド・ホックニーのドローイング24点がパノラマ的に展開する。メガギャラリー新時代の先陣を切るペース、ぜひ確かめたい。

photo_Kevin Sturman(portrait)   text_Mika Yoshida & David G. ...

最終更新:9/15(日) 18:55
Casa BRUTUS.com

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