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カメレオンの原理をとり入れた新素材を開発、光で色を変える

9/15(日) 16:31配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

迷彩服や塗料に?フォトニック結晶使う「スマートスキン」論文発表

 カメレオンは、体の色をいとも簡単に変えているように見える。敵を威嚇したり、背景にとけ込んだり、交尾の相手を探したりするとき、皮膚の色を短時間で変えることができるからだ。

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 科学者たちは何十年も前から、この仕組みを解き明かそうとしてきた。そしてこのほど、太陽の光を浴びると色が変わる新しいスマート(賢い)スキンの開発に成功した。

「自然界ではいつも起きていることですが」と米エモリー大学の生物工学者ハリド・サライタ氏は前置きしたうえで、「直射日光によって、色の変化を引き起こすことに成功しました」と述べた。氏らの論文は9月11日付けで学術誌「ACS Nano」に発表された。

 このスマートスキンは迷彩服から塗料、化学センサーまで、あらゆるものの材料として利用できる可能性がある。

 米ノースイースタン大学の生化学者レイラ・デラビ氏は、新しいスマートスキンは「工学者にとって大きな課題」を解決するものと評価している。というのも、従来のやり方とは違い、素材の体積を維持したまま色を変化させられるからだ。なお氏は今回の研究には関わっていない。

カメレオンにならって

 ハリー・ポッターが透明マントを身に着けるはるか前から、動物たちは体の色を巧みに操ってきた。カメレオンはもちろん、熱帯魚やタコ、イカなどが、この能力を独自に進化させている。

 こうした動物の皮膚細胞には、フォトニック結晶と呼ばれる小さな結晶がびっしり詰まっている。固有の色を持つ色素と異なり、これらの結晶は大きさや化学組成、配置によって光の反射・散乱のしかたが変わり、色が変わる。

 2015年、学術誌「Nature Communications」に論文を発表した別の研究チームは、カメレオンには「普通」の皮膚細胞のほかに、グアニン結晶を含んだ細胞の層があることを発見した。体色を変えるときは、結晶を含む細胞を自在に伸縮させ、さまざまな波長の光を反射する。同時に、普通の皮膚細胞も隙間を埋めるように伸縮する。

 色が変わるスマートスキンを開発する科学者は通常、ゼリー状のポリマー化合物にフォトニック結晶を埋め込む。今回の論文の著者であるイーシャオ・ドン氏はさらに工夫して、カメレオンの皮膚と同じようにポリマーを2層構造にすることを提案した。ドン氏はサライタ氏の研究室に所属する博士課程の学生だ。

「完璧な解決策だと思いました」とサライタ氏は振り返る。

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