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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は「LAに宛てたラブレターだ」【レビュー】

9/15(日) 21:41配信

エスクァイア

クエンティン・タランティーノ監督の新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、もはやシェークスピア級の傑作と言えるでしょう。タランティーノ作品に期待するものがすべてそろっているばかりではなく、それをはるかに凌駕しているのですから…。

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 「エスクァイア US」の特集独占インタビューでも、カンヌでのプレミア上映のトークでも、クエンティン・タランティーノ自身が強調するメッセージは常に一貫していました。

 それは…「いかなるメディアにおいても、この映画の結末を明かしてはならない」、ということになります。本作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、1969年に女優シャロン・テートがカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーに殺害された実話に基づいた事件を背景に、ハリウッド映画界周辺を描いた作品となっています。どうやらタランティーノは、この60年代当時に対して並々ならぬ憧憬(しょうけい)を抱いているようです。

 60年代と言えば、一度映画が公開されれば、少しずつ人々の噂になっていきながら広まってゆきます。そして、やがて満員の観客が映画館を埋めつくすわけです。しかし、それはもう(いわゆる!?)古き良き時代の話になります。SNSで予告映像をとにかくシェアするだけの現代とは、まったく別の時代なわけです。

“感情的になるのではなく 感情そのものを揺さぶられる” タランティーノ最新作

 私(オランダ人筆者ハイニー)もまた、タランティーノの意見に賛成です。

 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が実際どのような作品なのか想像しながら、わくわくした気分で自転車をこいで映画館へ向かい、チケットを買うため列に並ぶ…それこそがまさに、1969年的な世界ではないでしょうか。

 本作においてタランティーノは、その才能をいかんなく発揮しています。これまで彼が撮ってきたどの映画にも増して力強く、そして感動的な作品となっていると言っていいでしょう。映画監督として、また脚本家として、タランティーノの大きな成長を感じざるを得ない作品に仕上がっているのです。

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最終更新:9/15(日) 21:41
エスクァイア

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