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賛否両論の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 タランティーノがあえて描かなかった“惨状”とは?

9/15(日) 11:00配信

文春オンライン

映画の不変のパワーに泣かされた

 LAのウエストウッドにある劇場で、シャロン・テートが1968年に出演した『サイレンサー第4弾/破壊部隊』を観るシーン。場内は客が多いとは言えないが、スクリーンのシャロンがおどけるさまに笑い、戦うさまに歓喜の声を挙げ、その様子に彼女は満面の笑みを浮かべる。そんな観客が一体となって映画を楽しむ姿にこちらも目頭が熱くなる。

 この時期はベトナム戦争の泥沼化もあってハリウッドのみならずアメリカ全土が混沌としていたはずだが、劇場は映画という夢を見せてくれていた。どの時代、どの場所でも、それは変わらないと思えるし、劇場で映画を観たことがある者ならば、同じような一瞬を体験した覚えがあるはずだ。この映画の不変のパワーみたいなものは、現実というか真実というか真理。

 少なくとも自分はそこに射抜かれたし、大いに泣かされた。というわけで、タランティーノの最高傑作であることに異存ありません!

平田 裕介

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最終更新:10/7(月) 22:24
文春オンライン

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