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アリという昆虫の「最期」はあまりに突然訪れる

9/15(日) 5:50配信

東洋経済オンライン

生きものたちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのだろう──。
老体に鞭打って花の蜜を集めるミツバチ、成虫としては1時間しか生きられないカゲロウなど生きものたちの奮闘と哀切を描いた『生き物の死にざま』から、アリの章を抜粋する。

■働きアリの移動スピードはオリンピック選手並み

 不幸というものは、ある日突然訪れる。

 アリの巣は、実に巨大な組織である。巣の中には数百匹ともいわれるアリたちが暮らしている。大きな巣には、数十億匹ものアリがいることもあるというから、驚きだ。まさに、巨大国家のような規模である。

 アリの集団の中には1匹の女王アリと、数匹の雄アリがいる。そして巣の大部分を占めるのが、ワーカーと呼ばれるメスの働きアリだ。何しろ働きアリは忙しい。これだけの集団を維持するために、巣の外に餌を探しに出かけなければならないのだ。

 アリが1回餌を取りに行くための移動距離は、往復で100メートルを超えるという。おそらくは、この距離を何度も行き来するのであろう。

 アリの体長は1センチメートルほどだから、アリにとっての100メートルは、私たちの感覚ではおよそ10キロメートルに相当する。これを餌という荷物を運びながら歩くのだから、かなりの労働である。

 しかも、巣の外は危険に満ちている。これだけ遠い距離まで歩いていくとなると、思わぬハプニングに遭うことも多いだろう。巣を出たまま戻らない仲間も、何匹もいるはずである。

 ある日のこと、1匹のアリがいつものように軽快に6本の足を動かしながら、餌場を目指していた。アリの歩く速さは、1秒間に10センチメートル。時速360メートルの速さだ。

 アリの体長を1メートルと仮定すれば、その速度は、時速36キロメートルになる。乗用車並みの速さだ。陸上男子の100メートルの世界記録は、およそ時速37キロメートルと言われているから、働きアリはオリンピック選手と同じくらいのスピードで移動していることになる。

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最終更新:9/15(日) 5:50
東洋経済オンライン

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