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同じ「愛国」なのに何が違う? NYデザイナーとドナルド・トランプの「パトリオット」

9/15(日) 13:00配信

WWD JAPAN.com

日本語では「愛国心」を意味しますが、今、この言葉を口にするには勇気が必要です。特にアメリカでは、バッシングも覚悟しなければ。政策に対して疑問が募るばかりのドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の基本理念は「愛国主義」、そして、世界を見れば日本も含め右翼化の傾向が顕著で「コレでいいの?自分の国さえ良ければいいの?」という警鐘の音が日々大きくなっているからです。

ところが2020年春夏ニューヨーク・コレクションでは、臆せず「パトリオット」を口にするデザイナーが何人も現れました。実に勇敢です。そして興味深かったのは、アメリカ人の彼らによる愛国のコレクションが、日本人の僕にとっても“共感ポイント”盛りだくさんだったこと。ドナルド・トランプに関するニュースを聞いている時のような“しかめっ面”にならなかったんです(笑)。それはデザイナーの「愛国心」が、ドナルド・トランプの「愛国主義」とは全く違うものだからでしょう。今日は、そんなお話です。

ではまず、「今回のコレクションは、デザイナー人生で一番『パトリオット』」と話したデザイナーから紹介しましょう。マイケル・コース(Michael Kors)です。今回マイケルは、東欧出身の彼の祖母が、1900年代初頭から移民にとってニューヨークの玄関口だったエリス島を経て、ニューヨークで根を下ろしたパーソナルなヒストリーに焦点を当てました。人生で初めてエリス島を訪れ、当時の移民たちの力強さ、抱いていた希望の輝き、そして、前途多難ながらチャンスに溢れていたアメリカという国の魅力からコレクションを組み立てます。

だからこそ、コレクションの根本はアメリカントラッド。袖を巨大なパフスリーブに変換した紺ブレにハイウエストパンツのスタイルは、アメリカそのものであり、実用主義を重んじる「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」らしくもあります。当時のアメリカに溢れていた開拓者精神、そして、彼らを広く受け入れたダイバーシティー(多様性)のマインドは、アメリカンプレッピーに組み合わせた真逆のテイスト、パンクとなって現れました。チェック柄のトラッドには、ピカピカのシルバースタッズ。レトロなクラシックバッグには、やっぱり輝くゴールドスタッズ。その煌めきは、1920年代のアメリカの輝きであり、現在アメリカが最先端のダイバーシティーの象徴です。

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最終更新:9/16(月) 11:38
WWD JAPAN.com

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