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宇宙から紙飛行機を飛ばせ! ホリエモンとタッグを組んだ「折り紙ヒコーキ協会会長」の挑戦

9/15(日) 11:50配信

週プレNEWS

日本で少年時代を過ごした人なら、誰もが一度は紙飛行機を自作して飛ばしたことがあるはずだ。

【画像】直径2cmという小さな射出筒に格納し、打ち出すことができる紙飛行機ほか

その魅力に取りつかれ、人生をささげ、そして63歳になった今、夢に見続けた宇宙へとついにたどり着こうとしている男、戸田拓夫(とだ・たくお)の物語!

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■病室から窓の外へ投げ続けた紙飛行機
今年7月27日、北海道・十勝平野の広尾郡大樹町にあるインターステラテクノロジズ社(以下、IST社)の発射場で、曇天の空を心配そうに見上げる男の姿があった。

超精密鋳物(いもの)加工で有名な、広島県福山市の株式会社キャステム代表取締役・戸田拓夫(とだ・たくお/63歳)。彼のもうひとつの顔は、紙飛行機の滞空時間ギネス記録を持つ「折り紙ヒコーキ協会会長」だ。

ロケットで紙飛行機を宇宙に運び、地上に向けて飛ばす――約40年間、紙飛行機に戸田が折り込んだ無数の夢の集大成だ。

堀江貴文氏がファウンダーを務めるIST社の小型ロケット「MOMO」シリーズ3号機が、民間単独では日本初の宇宙空間到達を果たしてから3ヵ月弱。戸田の紙飛行機を載せた4号機が、いよいよ発射されようとしていた。

この時点でMOMO4号機の打ち上げは、天候不順や計器トラブルなどですでに5回も延期されていた。多忙な社長業の合間を縫って広島から大樹町まで通い続ける戸田は、「毎回、指令室で発射を待つ時間は吐きそうになるほど緊張する」という。





戸田と紙飛行機の濃密な付き合いは、意外なことに子供の頃からではなく、大学時代からだった。

早稲田大学の登山サークルに所属し、青春を謳歌(おうか)していたごく普通の青年は、突如大病を患い、無機質な天井と壁に囲まれた病院のベッドの上で2年以上を過ごすことになった。やりきれぬ思いで目の前にあった紙を丸め、外界との唯一の接点だった窓から投げ捨てると、力なく飛んだ紙は病院の庭にポトリと落ちた。

当然、看護師からは「庭にごみを捨てないでください」と注意を受ける。この言葉が、なぜか戸田の心に火をつけた。だったら庭を越えて飛ぶ紙飛行機を作ってやる――。

改良する時間は無限にあった。庭越え飛行に失敗しては看護師に叱られる毎日。いつしか、たった一枚の紙が工夫次第で遠くに飛ぶ楽しさと、自由に空を飛ぶ紙飛行機の美しい姿に心を奪われたという。

ある日、戸田はいつもどおり「病室から紙を捨てないで」と注意した看護師に対し、得意げにこう言い放った。

「病院には捨ててません。すべて敷地外まで飛んでます」

看護師はあきれて言葉を失ったが、今度は近隣の民家から「ごみを捨てるな」と苦情が来て、戸田は"不良患者"として強制退院させられることとなった。

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最終更新:9/15(日) 11:50
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