ここから本文です

ゲーミングPCの流行で激化 日中台のキーボード開発競争【TGS2019】

9/15(日) 10:38配信

日経クロストレンド

 eスポーツやゲーミングPCの流行をうけ、キーボード開発の差別化としてコア部品のスイッチ、いわゆる“軸”を独自開発するメーカーが増えてきた。東京ゲームショウで見かけた、ゲーミングキーボードや高級キーボードを巻き込む、日中台の静かで熾烈な競争をチェックした。

【関連画像】独自のスイッチを搭載するほか、交換用のかわいいキートップも販売している。肉球は実際に柔らかい素材になっている

 eスポーツやゲーミング周辺機器の流行で静かに競争が始まっているのが、キーボードのコア部品“スイッチ”の独自開発だ。

 キーボードと言えば、PCでの文字入力からゲーム操作まですべての基礎となるデバイスだ。プロゲーマーから、文字入力の多いビジネスユーザーまで、自前のキーボードで作業している人は珍しくない。

 その本格派キーボード市場だが、ゲーミングキーボードの場合は独Cherry製のメカニカルスイッチ、いわゆる“軸”を採用していることが多い。また、ビジネスユーザーの場合は東プレの静電容量無接点方式のスイッチを採用したREALFORCEや、PFUのHHK(Happy Hacking Keyboard)といった製品が支持されている。

 だが、ここにきてキーボードメーカーは他社との差別化のため、スイッチ/軸の自社開発を手がけるところが増えてきた。これにより、本格派キーボードの開発に新たな競争が始まりつつある。

 ここでは、東京ゲームショウ2019で見られた自社開発のスイッチ・軸を採用した新世代のキーボードを紹介していこう。

 今回注目なのは、フェルマーブースの「ふもっふのおみせ」が販売する「Varmilo(アミロ)」のキーボードだ。2019年から、メカニカルスイッチの構造と、静電容量無設定方式を組み合わせた独自開発のスイッチを採用した製品の販売を開始した。キータッチが異なる3種類のスイッチがあり、製品によって異なるものが搭載されている。

 Varmiloは海外メーカーながらも、日本語配列のキーボードを用意しているのもうれしい。省スペースキーボードでもF1~F12キーを搭載したものや、方向キーを残したデザインのものを販売している。省スペースキーボード定番のHHKはキーを省略しすぎだと感じる人も使いやすいものとなっている。

 さらに、ネットでキーボードのキートップのデザインをカスタマイズして注文できるサービスを、日本でも年内か来年の早いうちに提供できるよう進めているという。今回、ゲームショウのブースではイベントの商品として、実際にその場でカスタム注文したキーボードを、後日配送という形でプレゼントしていた。

 エレコムも新たなゲーミング周辺機器ブランド「ARMA(アルマ)」の新製品として、独自開発のメカニカルスイッチを採用したゲーミングキーボードを投入する。エレコムがスポンサーを務めるプロeスポーツチーム「ワンズバトルボックス」ブースで展示されている。

 製品はテンキーレスの「TK-ARMA30」と、フルキーボードの「TK-ARMA50」を用意。薄型キーボードで、スイッチは他社と異なりストロークが短めというのが特徴だ。キートップの交換が可能な設計だが、今のところカスタムパーツの販売予定はないという。年内の発売で、実勢価格は1万円台前半を予定している。

 台湾Kingstonのゲーミング部門「HyperX」も、自社開発のスイッチを採用したメカニカルキーボード「Alloy Origins」を発表した。最大8000万回の打鍵耐久性や、荷重45グラム、1.8ミリメートルのアクチュエーションポイント、3.8ミリメートルのキーストロークとゲーム向けの仕様が特徴だ。また、光らせ方にもこだわっているという。

 現在、中国や台湾ではキーボードのコア部品となるスイッチまで手がけるメーカーが増えつつある。この影響で、安価で使い勝手の良いゲーミングキーボードや高級キーボードも登場してきた。今後、日本でもこれらの部品を採用した高コスパなキーボードを購入できる機会が増えてくるだろう。

(文・写真/島徹)

最終更新:9/15(日) 10:38
日経クロストレンド

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事