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【ヒットの法則01】ゴルフVのGTIは世界が待っていた。そして新たな神話が始まった!

9/16(月) 12:01配信

Webモーターマガジン

GTIはいつの間にか目立たなくなっていた

いまも名車として語り継がれるモデルたちは、発表当時どのような評価だったのだろうか。それを振り返る連載企画をスタートする。第1回目は2004年秋に登場した5代目となるゴルフの「GTI」だ。その神話はどのように復活することになったのか。(以下の試乗記はMotor Magazine 2005年1月号より)

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2003年のフランクフルト モーターショーでそのコンセプトが提示され、2004年のパリサロンで量産型のお披露目となった新型ゴルフGTI。今回はそれをいち早く南仏はポールリカールサーキットと、周辺のカントリーロードで試した。

早速インプレッションを報告したいところだが、その前にゴルフGTIの歴史をおさらいしておこう。初代ゴルフの登場は1974年。そしてその2年後の1976年には、GTIが早くもラインナップに加わっている。1.5Lのキャブレター仕様で出力も70psそこそこだった標準モデルに対し、1.6Lエンジンをベースに圧縮比を9.5にまで高め、メカニカルインジェクションのKジェトロニックで110psまでパワーアップされた初代GTIは、当時、「夢のような高性能車」と言われた。

しかし、この初代GTIはついに日本国内に正規導入されることはなく、並行輸入で少数が持ち込まれたに過ぎない。そしてその希少性が日本での神話作りをさらに促進させていったのだ。

1983年にゴルフは2世代目へと進化し、1985年についに念願のゴルフII GTIが日本に正規導入される。当初は8バルブの105psと初代よりパワーが落ちたこともあって注目度はそこそこだったものの、1987年に上陸したバージョンアップ版は16バルブ化されて125psを実現。再びGTI神話を受け継ぐこととなる。

このように初代から2代目と二世代にわたるGTIで、日本でもその名前は高性能の代名詞として定着した。しかし神話と呼んで良いのはここまでだろう。その後3~4代目ゴルフにもGTIは存在していたが、ゴルフ本体が大きく豪華に様変わりしていく中にあって、より一層扱いやすくなり、標準エンジンのパワーが目覚ましく向上したことも手伝って、その高性能ぶりは以前ほど目立たなくなっていったのだ。

これを補完する意味で、VR6やR32のような大排気量エンジンを与えたモデルも投入されて来たが、GTIほどのネームバリューを持つには至っていない。

ゴルフGTIは全世界148カ国で販売され、初代から4代目までの累計生産台数は約150万台にも及ぶ。欧州では93%がGTIの名前を認識しているという調査結果もあるそうだ。GTI神話はドイツや日本で局所的に起こったのではなく、世界的なムーブメントだったのである。ならばGTIのバリューを有効に使うべき。かくしてフォルクスワーゲンはゴルフGTIの先祖返り作戦に出た。そしてその結果開発されたのが、ゴルフVに追加される新型GTIというわけなのである。

これは昨年(2003年)フランクフルト モーターショーで提示されたデザインスタディほぼそのままの形だった。標準仕様がバンパーでグリルとアンダーインテークのふたつの開口部を明確に仕切っているのに対し、GTIはブラックのガーニッシュが両者をつなぐ構成となっており、グリルの下面には「お約束」の赤いピンストライプが入る。

開口部全体は両サイドのダミーホール(一部がドライビングライトのベゼルとなる)を含め、樹脂成型のハニカムメッシュで覆われた。そのバンパー全体も標準仕様より大きく下端が低い位置から始まるスポイラー形状だ。これまでのGTIはスポイラーやピンストライプで独自性を静かに主張するに過ぎなかったが、新型はフロントセクションを大幅に作り替える大胆な変身を試みている。ちなみに、これにより全長は+10mmの4216mmとなった。

ヘッドライトはハウジング内がダーク仕上げとなっており表情をより精悍にしている。ライトの種類はハロゲンが標準でキセノンがオプションとなる模様。キセノンを選んだ場合はハウジング内がブライトクローム仕上げとなる。

サイドビューは17インチが標準となった専用デザインのアルミホイール以外、あまり大きな違いはない。ちなみに試乗車にセットされていたのは225/40R17のBSポテンザRE050。オプションで225/40R18のミシュランパイロットスポーツも用意される。サイズアップされたタイヤに合わせ、ブレーキもディスクが16インチへ大型化され、赤くペイントされたキャリパーが組み合わされる。標準仕様ではマット仕上げだったBピラーが、同じ黒でも光沢処理となっているのもGTIならではだ。

リアはバンパー下の黒いアンダーカバー部分のデザインが異なり、より低い位置まで垂直に引き降ろされている。標準仕様はエキゾーストパイプを隠していたが、GTIは左側に70mmのテールパイプを2本覗かせ、ルーフスポイラーも235km/hの最高速に対応して大型化されたものが採用されている。

ボディは5ドアと3ドア(フォルクスワーゲンの表記では4/2ドア)の2種類を用意。日本には当面5ドアのみの導入を検討しているそうだ。

インテリアでは新開発のシートの採用が目に付く。サイドサポートなの盛り上がりがより明確なスポーツタイプだが、一見すると一体式に思えるヘッドレストは上下のアジャスト機構を備え、むち打ち防止のアクティブヘッドレスト機能も盛り込んでいる。ちなみに標準仕様はファブリック仕立てだが、生地に初代GTIに用いられた懐かしいチェック柄を採用。もちろんオプションでレザー仕様も用意され、ちらはアンスラサイトとベージュの2色だ。

ハンドルは伝統の3本スポーク。革巻きが標準でグリップ部にはディンプル加工が施されている。下側のスポーク部分にGTIの文字が刻まれたアルミプレートが付くが、この他にもシフトレバーやダッシュボードなどにアルミを多用し、全体をシャープな雰囲気にしているのがGTIのインテリアの特徴だ。

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最終更新:9/16(月) 12:01
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