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節税のはずが…医療法人の理事長に「財産が残らない」ワケ

9/16(月) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

目先の税金ばかりを気にして節税をした結果、かえってトータルの財産を減らしてしまっている医師がいます。次世代に財産を多く残すためにも、日頃の税金対策を見直してみましょう。本記事では、税理士法人DOORSの代表・水越康博税理士が、医療法人の理事長ほど「財産が残らない」仕組みや、その解決方法を紹介します。

医師が無自覚に残しがちな「医療法人への貸付金」

◆医療法人への貸付金、それが思わぬ税務の悪循環を作っています

まずは医師の皆様に質問です。医療法人にお金を貸し付けているか、ご存じですか?

「特にお金を貸した覚えはないはず……」。恐らく多くの方がそう考えているのではないでしょうか。一方で、貸付金が無自覚のうちにどんどん増えている実態は、医療業界で散見されています。

一見単なる「貸付金」に思えるかもしれません。しかし、このような考えが、お金があまり残らなかったり、税務の悪循環を生み出したりする原因になっています。そこで本記事では、お金が残りにくくなる理由や、実際の解決方法について解説します。

◆決算書の「役員(短期)借入金」をチェックしましょう!

まずは、医療法人にお金を貸しているかチェックしてみましょう。医療法人の決算書の貸借対照表を見てください。「負債の部」に記載されている、役員(短期)借入金の残高はいくらでしょうか? 

【決算書のチェック】

*借入金残高は、決算書の後ろの科目内訳書「借入金及び支払利子の内訳書((11))」を見れば確認できます

*未払金または未払費用の科目内訳書でも、自分名義の残高がないかご確認ください

*わからない場合は顧問税理士に確認しましょう

◆役員借入金が発生する2つの原因

医療法人にお金を貸した自覚がないのに、貸付金がたくさん残っている医師は多いです。なぜでしょうか? これには、主に2つの原因があります。

【2つの原因】

(1) 個人口座から医療法人の口座にお金を振り込んだため

⇒ 経理処理 預金100万円/役員借入金100万円

(2) 個人名義のクレジットから、法人経費を立て替えたため

⇒ 経理処理 経費100万円/役員借入金*100万円

*短期借入金、または未払金、未払費用の科目で処理する場合もあり

これが、「無自覚の貸付金」を残してしまう原因です。(1)はわかりやすいですが、(2)については、イメージしにくいと思いますので、以下に説明します。

◆法人税を節税しようとした結果、退職時には貸付金が3,000万円に…

税理士さんから「今期は多くの利益が出る」といわれたとします。この時、医師としては、「法人税をあまり支払いたくない。でも法人にお金の余裕はあまりない」と考え、法人の経費を個人クレジットで立て替えることを考えます。

たとえば、年間100万円の飲食費を個人のクレジットで立て替えたら、「よし、法人税の節税になった! クレジットのポイントも貯まったし、一石二鳥だ」と、得をした気分になるでしょう。すると、毎期のようにお金を立て替えはじめます。結果、法人税が減る、さらに立て替える、どんどん貸付金が貯まる……という無自覚の悪循環が始まるのです。

ポイントが貯まるからと、普段から個人カードで経費を使っている場合も、結果的に同じ状況になります。

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最終更新:9/16(月) 12:00
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