ここから本文です

「非上場株式の相続税評価額」はどのように決まるのか?

9/16(月) 5:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

会社を相続する可能性があるのであれば、株式の評価方法は知っておくべきことです。しかし、その計算方法は複雑で、一筋縄でいくものではありません。本記事では、非上場株式の評価方法を、例えをまじえてわかりやすく説明していきます。※本連載では、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が、専門語ばかりで難解な相続を、図表や動画を用いてわかりやすく解説していきます。

4つの計算方法がある「非上場株式の相続税評価額」

事業承継を検討するにあたって、株式の相続税評価額の計算方法は、ある程度理解しておく必要があります。しかし、これまた非常に多くのややこしい計算方法が登場するので、嫌になってしまうかもしれません。まずは株式の評価額の計算の全体像を、ふんわりと知ることから始めましょう。

株式の評価額の計算方法は、まず「原則的評価方式」と「特例的評価方式」という2種類の評価方法があります。そして原則的評価方式の中には、さらに3種類の評価方法があるので、合計で4種類の計算方法があるということになります。

そして株式の評価は、同じ株式であったとしても、誰がその株式を持つのかによって評価額が変わります。アイドルのコンサートチケットを例にすると、イメージしやすいかもしれません。

たとえば、あなたが大好きなアイドルのコンサートチケット(しかも最前列!)があったとします。本来1万円で売られているのですが、すでに売切れです。しかしインターネットのオークションでチケットが売られていました(最近はチケットの転売問題がありますが、ここでは目をつぶってください)。

あなたは、このアイドルが大大大好きです。席は最前列です。もう二度と買えないかもしれません。さて、いくらの金額で買いますか?

人によっては、「5万円!」「10万円!」「20万円!」となるかもしれません。

一方であなたがこのアイドルのことをそこまで好きでなかったら? あなたはこのチケットにいくら出しますか? おそらく通常の売価である1万円以上、お金をだすことはないでしょう(むしろいらない、と答える方も多いでしょう)。

ここで、少し考えていただきたいのです。同じチケットです。チケット自体は、まったく同じ物です。しかし、それを欲しがる人の状況によって、その金額は何倍も何十倍も変わるのです。

この考え方が、株式の評価額にも、そのまま使われています。まったく同じ株式を評価するのでも、その株式を取得する人の状況に応じて、評価方法を大きく2つに分けています。具体的にいうと、その会社を支配できる一族については原則的評価方式を、その会社を支配することのできない一族については特例的評価方式で株価を計算します。

「会社を支配している一族」というのは、会社の株式の50%超を持っている一族のことで、同族株主グループといいます。

同族株主グループは、その気になれば会社を自由に扱うことができます。会社を解散させて、会社の財産を自分たちのものにしてしまうことだってできるのです。

一方で、同族株主グループではない株主たちのことを少数株主グループといいます。少数株主グループの株主は、株式を持っていたとしても会社を解散させたりすることはできません。より多くの株式をもっている同族株主グループがNOといえば、それ以上のことはいえないからです。

同族株主グループと少数株主グループでは、同じ株式でも、会社への影響度が全然違うのです。はっきりいって少数株主グループは、株式を持っていても、会社から配当金を受け取れるくらいしか価値はありません。

そのことから、少数株主グループの人が株式を取得する場合には、特例的な評価方法である「配当還元方式」という方法で株式を評価することが認められています。

配当還元方式とは大雑把にいうと「今後10年間でもらえる配当金の総額をもって、株式の評価額としましょう」という評価方式です。最大の特徴は、この後説明をする原則的評価方式と比べると、非常に低い株価がつくということです。

ここでのポイントは、まったく同じ株式であったとしても、誰がその株式を持っているかによって、評価額が2種類に分かれるということです。同族株主グループの場合には、原則的評価方式、少数株主グループの場合には特例的評価方式である配当還元方式が適用されることとなります。

余談ですが、本来、配当還元方式が使えるにも関わらず、原則的評価方式で申告をするというミスを犯す税理士は結構多いです。株主の構成によっては、ここの判定は非常に難しくなるので、不安な方はセカンドオピニオンをすることをおすすめします。

1/3ページ

最終更新:9/16(月) 5:00
幻冬舎ゴールドオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事