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寿司屋の大将が「相続額でごねる姉」を黙らせた方法とは?

9/16(月) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

どの親にとっても我が子は可愛いものである。可愛さ余って、つい甘やかしてしまうこともある。相続ではそれが問題を生むことがある。大将さん(仮名)の家がまさにそのケースであった。大将さんの母親は、生前に子どもたちに何度か現金をあげていた。問題は、その金額に差があり、長男が多くもらっていたことだ。その差に目をつけた妹は「特別受益」だと主張。「平等に分けるべきだ」と言い出し、兄弟間でもめごとが起きてしまう。※本記事では、税理士の髙野眞弓氏が、自身の経験もとにした「争族エピソード」を紹介する。

「大将がちょっと問題を抱えてるって言っていてね」

行きつけのクラブがある。そう言うとかっこよく聞こえるかもしれないが、行きつけというよりは時折顔を出す程度であり、クラブというよりはちょっと高級な飲み屋といったほうが正確である。ただ、付き合いは長い。店のママとも馴染みで、お酒をチビチビと飲みながら、お互いの商売のことなどをよく話す仲である。

「以前話したことがある寿司屋さんのことなんだけどね」藪(やぶ)から棒にママが言う。「寿司屋って、1丁目の寿司屋かい」私は聞き返した。「そう。私や店の子たちがよく行くあの寿司屋さん。大将もたまにこっちに飲みに来てくれるお得意さんだから、いろいろと話を聞くわけよ。この間も来てくれたんだけど、その時に、大将がちょっと問題を抱えてるって言っていてね」「どんな問題?」

「詳しいことはわからないんだけど、どうやら税金とか相続に絡むことらしいの。だから先生に聞いてみたらいいかなと思って。もしよければ連絡先を教えてあげたいんだけど、いいかしら」「別に構わないよ。じゃあ、大将に電話をくれるように伝えといてくれ」「ありがとう」始まりはそんな些細な会話だった。

その寿司屋は個人経営のこじんまりとした店だが、ネタがいいらしく、ママの評価は高い。大将も気立てのいい人らしく、私もいつか行ってみようと思っていた。ママが「問題」と言っていたのが気にはなったが、おそらく節税か、店の権利の譲渡や相続についての相談だろうと思った。

ここ数年は景気が回復基調にあるらしいが、飲食店経営は相変わらず厳しく、倒産件数が増えていると聞く。平日の夜は人が少なく、バブル経済期のように気軽に寿司屋に通うような時代とは程遠い。経営に苦労はつきものだ。集客も資金繰りも大変だろう。偉そうなことは言えないが、税金関係のことであれば何か力になれることがあるのではないかと思った。

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最終更新:9/16(月) 11:00
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