ここから本文です

【現代の知の巨人・出口治明大阪・梅田講演会ダイジェスト6】AIの時代こそ、哲学と宗教を学ぶと面白いことが見えてくる理由

9/16(月) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン

 世界1200都市を訪れ、1万冊超を読破した“現代の知の巨人”、稀代の読書家として知られる出口治明APU(立命館アジア太平洋大学)学長。歴史への造詣が深いことから、京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義では世界史の講義を受け持った。
その出口学長が、3年をかけて書き上げた大著がついに8月8日にリリースされた。聞けば、BC1000年前後に生まれた世界最古の宗教家・ゾロアスター、BC624年頃に生まれた世界最古の哲学者・タレスから現代のレヴィ=ストロースまで、哲学者・宗教家の肖像100点以上を用いて、世界史を背骨に、日本人が最も苦手とする「哲学と宗教」の全史を初めて体系的に解説したとか。
なぜ、今、哲学だけではなく、宗教を同時に学ぶ必要があるのか?
脳研究者で東京大学教授の池谷裕二氏が絶賛、小説家の宮部みゆき氏が推薦、原稿を読んだ某有名書店員が激賞する『哲学と宗教全史』が発売たちまち大きな重版が決まったという。
8月10日、大阪・梅田に131名が集結。満員御礼で開催された出版記念講演会の模様をお届けする6回目。今回はどんな話が出てくるのだろうか。

【この記事の画像を見る】

● 『教育格差』から考える 哲学と宗教の意味

 今年7月に出た、松岡亮二著『教育格差』(ちくま新書)は膨大なデータを丁寧に分析したとても優れた本です。

 僕たちはついつい、「子どもの貧困って最近ひどくなっているんじゃないか?」とか、「教育の格差は最近大きくなってるんじゃないか?」など、先入観で思いがちですが、この本を読むと、実は子どもの貧困はほとんど増えていない。深刻だけれど、昔からあった問題だとデータを示してきちんと書いてあります。

 また、教育の格差も昔からあまり変わっていないということが全部実証的に分析されいるのです。

 社会学や心理学やいろんな学問によって、世の中のいろいろな構造がわかってくると、「不幸」という現象も、今まで「運命やで」と考えられてきたものが、実は社会政策の乏しさであったり、政治の問題であったり、再分配の問題であったりと、いろいろ原因と対策がわかるようになってきます。

 こうなってくると、宗教の分野も小さくなってくるのでは? と思われるかもしれません。

 それが20世紀以降、あるいは21世紀以降、われわれが問われている問題のような気がします。

 この延長線上に、AI(人工知能)の問題があるのだと思います。
 だから、AIがどんどん進化したら、人間を超えていくのではないだろうか。
 どんどん技術が進めば、あるいは科学が進歩したら、今まで人間が考えてきたことのほとんどの問題が自然科学的に解けるようになるのではと。

 極論すれば、人間は物質の塊であって、人間の心や脳の働きも全部、化学変化などで説明できるのかもしれない。

 そう考えたら、多分、シンギュラリティ(技術的特異点)は起こるのかもしれませんよね。

 これとは逆に、人間は物質、星のかけらからできているのですが、脳が肥大して、人間は心あるいは精神を持つようになった。
 これは、元は物質からできているけれど、脳が肥大化した人間は、単なる物質を超えた精神性とか心を持つようになった動物だと。
 このように考えたら、シンギュラリティは絶対に起こりませんよね。
 つまり、物質の積み重ねだけでは人間が解明できないからです。

1/2ページ

最終更新:9/16(月) 6:00
ダイヤモンド・オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい