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千葉の停電、「県の初動」はなぜ遅れたのか

9/16(月) 5:40配信

東洋経済オンライン

 関東地方に、広範囲かつ甚大な被害をもたらした台風15号の被災地では、長引く停電との苦闘が今も続いている。

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 「電気も水道も来ない。何とかならないのかね」

 千葉県山武市日向台の分譲住宅地で暮らす55歳の男性は、長引く「自宅避難生活」が限界に来ていると話す。男性が経営する鋼材販売店は停電で事業が再開できず、「仕事にならない」(同)という。

■杉の木が道路をふさぎ、電線を寸断

 停電の原因と見られる問題は自宅のすぐ近くにあった。坂を登ると杉の木が倒れて道路をふさぎ、電線を寸断していた。杉林の持ち主だという70代の男性に聞いてみると、「電力会社は調査に入っているようだけど、復旧工事はまだ始まっていない」と途方に暮れていた。

 9月14日午後11時に東京電力が発表した「地区ごとの復旧に要する時間」によれば、山武市日向台では「100軒未満」が停電しており、復旧までに最大で2週間を要するという。前出の男性は「こんな状態だと家にいても仕方がない。東京にでも避難しようかと思っている」と頭を抱えている。

 停電による影響は広範囲に及んでいる。千葉市緑区では9月15日午後2時時点でも約7600軒が停電している。台風から2日後の11日夕方の記者会見で、東京電力パワーグリッドの塩川和幸技監は「千葉市内については12日中に復旧する見通しだ」と説明したが、15日現在も大規模な停電を解消できないままだ。

 同区にある千葉南病院(病床数137床)では、2日間にわたって自家発電機で電力不足に対処した。しかし、5台の人工呼吸器など病棟への電気の供給を優先する中で、エアコンは一切動かせず、エレベータも1台しか稼働できなかった。救急車の受け入れやCTスキャンなどの検査もできず、電子カルテも止まった。

 その後、9月11日の深夜に四国電力から電源車が到着したことで、病院の機能が回復し、事なきを得た。

■ナースコールが鳴らず、対応に苦慮

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最終更新:9/16(月) 5:40
東洋経済オンライン

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