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MJ「ネバーランド」考 歪んだ情念から生み出された磁場

9/17(火) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 不世出の世界的スターだったマイケル・ジャクソンが創った自宅「ネバーランド」は、建設当時の約30年前から人々の興味と関心を集めてきた。観覧車などの巨大遊具、鉄道、動物園、映画館に湖など、私有地で自宅なのに巨大テーマパークだと噂されてきた。そこでかつて起きた出来事を証言者の言葉で検証するドキュメンタリー作品『ネバーランドにさよならを』(Netflix)は、映画祭での初公開時から、センセーショナルな証言内容に興味があつまりがちだった。しかし、イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏は、ネバーランドの魅力が伝えられたことから、マイケルと少年の心についてばかり考えている。

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 今からちょうど2年前、Netflixの会員になった。映画、ドラマ、アニメといった動画を楽しみつつ、最も夢中になったのが海外のドキュメンタリー作品。自分の想像を優に超えてくる事実に「コレ、本当の話かよ!」と思わず声も漏れる。特に人のエゴから生まれた事件について言及する作品にハマった。畏怖、疑問、愉快といった感情が一気に湧き、最後には困惑する。なかでも、マイケル・ジャクソンの闇を映した『ネバーランドにさよならを』の衝撃は格別だった。鑑賞後、心の整理がつかない作品だった。

 物語の中心となる語り手は、子供時代にマイケルに性的虐待を受けたと主張する男性2人。彼らがマイケルと出会い、交流を深め、その結果何が起きたのかについて語る。

 彼らの証言から構成される本作だけで、マイケルが本当は何をしたのかを見極めるのは難しい。ただ、世界一のスーパースターが変人だったことに間違いはない。それは、4時間を超える『ネバーランドにさよならを』で最も多くの時間を割いて描かれている、30歳を超えた男性と当時小学生だった彼らのいびつな友情について。ある期間において、少年たちとマイケルは親友と呼べる関係性を結んでいった様子がうかがえる。それが、片側からの一方的な証言ばかりだということを差し引いても、彼らがある期間をともに暮らし、それ以外の場所でも友人としてマイケルとともにいたことは事実だろう。

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最終更新:9/17(火) 16:00
NEWS ポストセブン

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