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『クロノ・クロス』20周年ライブ開催の光田康典「作曲に大事な構成力は、小説から学んだ」

9/17(火) 19:00配信

FINDERS

映画、ゲーム、漫画、小説、音楽に、自分がなぜこんなに感動するのか。感情が揺さぶられるのか。作り手は、受け手の感情をどう想像し設計をしているのか? それが知りたくて『感情のロジカルデザイン』と題してクリエイターにインタビューを続けている。

第1回は文筆家の海猫沢めろんさんに小説の創作法を聞いた(私個人のnoteで公開)。前回、特徴的だったのはシーンとシーンをつなげ、勢いが下がらないようカタパルト式に感情を上げていく物語設計。Aメロ、Bメロ、サビ……とつなげる音楽的なアプローチにも、それは通ずるように思えた。今回は、11月に発売20周年記念ライブが開かれるゲーム『クロノ・クロス』の音楽を中心に、作曲家・光田康典さんにお話を聞いた。

曲作りはコンセプトの理解から始まる

― ― 光田さんはどういうプロセスで楽曲を作られているんですか?

光田:作品によってまちまちなんですけど、例えば映像作品だったら、何度も何度も見返しているうちに映像が持つテンポ感とか、世界観が何となく見えてくるんですよ。それに曲のテンポを合わせていくんですけど、映像が表現したいものがメロディとして浮かんでくる場合もあるし、こういうサウンドが必要なんだろうなってことは、自然と分かるんですよね。これって多分、小さい頃に大量の映画を観ていたから、というのがあると思うんです。

― ― 映画の影響なんですね。

光田:ゲームの場合、シナリオを何度も何度も読み直します。テーマに対して必要な音楽性と、ゲーム画面のイメージは結構違ったりします。例えば『クロノ・クロス』の場合、話はダークなんですけど、海がメインのビジュアルで穏やかな感じだったり。シナリオの流れと、映像に対しての音楽のバランスは、一番難しいところだったりするんです。

その時のゲーム画面がどんな状態かによっても、音楽の作り方は全然違いますね。例えば、南国の町に出店がたくさん出ていて、街の人が何人も画面上にいる場面なら賑やかな音楽になりますし、藁葺き屋根の家だけがぽつんと見えて自分一人が動いている場面なら、寂しい感じの音楽になります。色彩はすごくポップで南国の雰囲気でも、キャラクターが何人その画面に現れているかで、人の感じ方は変わりますよね。

ゲーム画面ができてシナリオを全部読んで、それから曲を書き始めて……というのがベストなんですけど、なかなかスケジュール的に難しいことも多いので。なるべくそういう情報を聞きつつ曲を書いていくというプロセスです。

画だけをもらって「これに合わせて曲を書きます」という書き方は、よっぽどの事がないかぎり僕はやりませんね。

― ― それはやっぱり演出ありき、ということでしょうか。

光田:はい。演出ありきですし、前後関係の流れですよね。

例えば、ゲームの場合は町に入る前のフィールドがあるのかどうかとか、ワールドマップはどうなっているのか。プレイヤーが動いていく流れは重要だと思うので。

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最終更新:9/17(火) 19:00
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