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北海道・大雪山国立公園の荒廃した登山道を「近自然工法」で再生へと導く「大雪山・山守隊」

9/17(火) 16:51配信

YAMAKEI ONLINE(ヤマケイオンライン)

大雪山という山名は、登山をしない人にもよく知られているだろう。この山一帯は大雪山国立公園に指定され、総面積2268平方キロメートルの日本最大の国立公園となっている。ちなみに大雪山という名のピークはなく、道内最高峰の旭岳(2291m)をはじめとする多数の山の総称が大雪山だ。

【画像】裾合平までの約3km、人力で荷上げを行い木道設置する


北海道の屋根とも呼ばれる大雪山には総延長300kmもの登山道があり、北海道、林野庁、環境省などの行政が管理している。しかし広大ゆえ十分に管理が行き届かず、さらに近年は大雨の増加で荒廃の速度が保全よりも早く、訪れた登山者からも「整備不足」を指摘される状況になっているという。

そんな中で、熱心に山の道を守る活動をしているのが「大雪山・山守隊」だ。2011年、有志によるプロジェクトとして活動が始まった。2018年3月には一般社団法人に改組して活動の幅を広げ、現在では定期的に登山道整備イベント「たまには山に恩返し」を行っている。当初は一部の熱心な有志による活動だったものが、積極的な活動に支援の輪も広がり、現在では1つのイベントに50名を超えるボランティアが集まるほど、活動は活発化している。

登山道整備イベント「たまには山に恩返し」

それでは、実際に、大雪山・山守隊の「たまには山に恩返し」では、どんな活動を行っているのか、例を見てみよう。

■黒岳・雲の平での登山道の保全活動

2016年に北海道を襲った豪雨で、この一帯はかつてないほど道が削られてしまったという。そこで翌年の7月。登山道整備イベント「たまには山へ恩返し」を同エリアで開催した。

「雲の平の登山道は、多くの高山植物の咲く場所にあります。豪雨により今までにないほど道は削られ、削られた土砂が高山植物帯を埋めてしまいました。しかし、少し堀り出してみると、土砂の中で植物が青々と生きていました。

この崩れの原因は、その前年(2016年)に施工された土留めや段差処理の施工物がこの付近の地質に合わず、侵食を拡大させた可能性がありました。

植物を助けるために58名の方が参加し、みんなで崩れを止め、汗を流して作業をしました」

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