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数多の困難を乗り越えて夢を実現! 『レディ・マエストロ』

9/17(火) 16:31配信

フィガロジャポン

ある程度予想してはいたものの、その展開は予想を遥かに超えていた。中盤から、主人公の生き方にも、この映画のおもしろさにもグイグイ引き込まれ、最後にはクラシックの名曲が高鳴る気持ちを盛り上げる。この映画『レディ・マエストロ(英題:The Conductor)』は、女性指揮者のパイオニア、アントニア・ブリコの実話を描いたもので、彼女の夢を諦めない姿は、同じように夢を抱えている観客の背中を強く押してくれるはずだ。その応援歌として流れるのは、マーラー『交響曲第4番』、ドヴォルザーク『ロマンス』、ドビュッシー『夢』、ストラヴィンスキー『火の鳥』、ガーシュウィン『ラプソディ・イン・ブルー』といった名曲の数々である。

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女性指揮者としての道を切り拓いた、アントニア・ブリコの実話。

舞台は1926年のニューヨーク。主人公のブリコは裕福な育ちではなく、キャリアもなく、何のコネクションもない。しかも音楽そのものを家族から反対され、家のために稼ぐことで精一杯だ。そんな袋小路の彼女が、女性が指揮者になるという夢を見ることさえ許されなかった男性社会の音楽界で、夢を実現させる。また、このサクセスストーリーにはラブストーリーが絡むだけではなく、オランダからの移民としての生活や、出生の秘密、彼女を応援するLGBTの友人の姿などが描かれていく……。

ブリコの音楽への情熱はものすごく、その熱意に周囲の人たちが動かされていると言っていい。実際、映画の資料によれば、ドイツの巨匠指揮者であるカール・ムックがバイロイトで神聖祭典劇『パルジファル』のリハーサルをしていた時に、ブリコが推薦状を持って突然押しかけ、その熱意に根負けしたムックが彼女にリハーサルの見学を許可したというエピソードが残っているという。

バイロイトといえば、ワーグナーが自作オペラ上演のために、理想の劇場として設立した祝祭劇場があり、バイロイト音楽祭はそこで1876年からスタートした由緒ある音楽祭だ。しかも『パルジファル』は、ワーグナーが1882年にバイエルン国王ルートヴィヒ2世のために書いたオペラである。その場でムックがどれほど神経質になっていたか想像に難くないが、そこで許可されたというのだから、相当な熱意だったのだろう。

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最終更新:9/17(火) 16:31
フィガロジャポン

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