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事故か認知症か…忽然と姿を消した83歳家賃滞納者の行方は?

9/17(火) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本記事では、章(あや)司法書士事務所代表・太田垣章子氏の著書『家賃滞納という貧困』(ポプラ社)より一部を抜粋し、延べ2200件以上の家賃滞納者の明け渡し告訴手続きを受託してきた著者が実際扱った「家賃滞納」事例を取り上げ、普通の人が貧困に陥らないための予防策やトラブル解決方法を探っていきます。

賃借人は毎月の家賃を直接持参していたが…

ひとり暮らしの高齢者が増えました。

親族がいないわけではないけれど、どんどん関係が疎遠になっているのが今の日本社会です。

特に経済的に自立して生きていると、人を頼らずにきた分、ますます疎遠になりやすくなります。ましてお子さんがいないとなると、ご本人も「家族を頼る」という意識が持てないのかもしれません。

本田美子さんは、83歳。大手メガバンクを定年まで勤め上げ、年に何回か海外旅行をするくらい、人生を謳歌されていました。

自身は公営住宅に住み、少し離れたところにワンルームも借りていました。このワンルーム、何のためかというと、荷物を置くためです。もともとこのワンルームに住み、公営住宅に引越すときに解約せず、どうやら相続で受けた物とかをそのまま置いていたようです。

年を重ねると元気であっても、根気のいる作業は後回しになります。特に物を大切にする世代は、なかなか断捨離ができず、気がついたときには物で溢れてしまうということになりかねません。美子さんもこのタイプだったのでしょう。

毎月のワンルームの家賃は、美子さんが不動産会社に持参されていました。住んでいる町から電車に乗って3駅。振込みをお願いしても、わざわざ毎月来られます。不動産会社の方も、美子さんの様子を確認できるので、安心していました。

必ず月末には持ってこられる家賃。ところがこの1年ほど遅れたり、2カ月分まとめて払ったり、様子が変わってきました。会うたびに「年をとられたな」そう感じるほど、老いてこられた様子が窺えました。帰られる後ろ姿が、以前とはずいぶん違います。歩くペースが遅かったり、ふらふらしていたり。

そうして美子さんは、姿を見せなくなりました。

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最終更新:9/17(火) 10:00
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