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他人との比較で悩む人に教えたい4つの心得

9/17(火) 6:20配信

東洋経済オンライン

 私は精神科医として、45年間、延べ10万人以上の患者さんと向き合ってきました。その中には、

・自分は能力が低く、誰にも評価されない
・あの人はズルくて要領がいいのに、自分は不器用で損ばかりしている
・友人たちは、充実した生活を送っていてねたましい
 という思いを抱えた人たちがたくさんいました。

 そういった悩みや不安の根本的な原因は、どこにあるのでしょう? 

拙著『人生に、上下も勝ち負けもありません 精神科医が教える老子の言葉』でも解説していますが、大きな理由の1つは「いつも他人と比べてしまっている」というところにあると、私は考えています。「他人と自分」という関係に悩み、過分に苦しめられているのです。

■優劣をつけない老子の哲学

 紀元前8世紀ごろの中国の春秋戦国時代と呼ばれる動乱期に活躍したといわれる古代中国の思想家・老子(ろうし)は、こんな言葉を残しています。

琭琭(ろくろく)として玉のごとく、珞珞(らくらく)として石のごときを欲せず。
 これは、こういった意味の言葉です。

ダイヤモンドのような存在になったらなったで、それもいい。
石ころのような存在になったのなら、それもまたいい。 
それが自然の姿なら、受け入れて、ただ生きていくだけ。

 そもそも何かになりたいとかなりたくないとかではなく、自然のままでいいじゃないか。ダイヤモンドと石ころに優劣をつけて、ジャッジしたりはしないよ、というスタンスを老子は説いています。

 老子に言わせれば、世の中にある物事について、いちいち「よい、悪い」「偉い、偉くない」「すごい、すごくない」というジャッジをすること自体がおかしい。

 これを老子は「無為(むい)」という概念で説明していますが、どんな存在でも、自然のままにいれば、ただそれだけでいい、わざとらしいことをせず、自然に振る舞え、ということなのです。

 私は精神科医ですから、カウンセリングをしたり、薬を処方したりするなどの医療的対処で、患者さんと向き合ってきました。

 しかし、ときにそうしたアプローチより「老子の教え」が効くことがありました。

■精神科医として現場で感じた「老子哲学」の効果

 ある日、患者さんにポロッと老子の言葉を話すと、泣き出してしまったのです。

 「効く」というのは、その人に生きる希望を与えたり、自らの環境や境遇のとらえ方を変える大きな気づきを与えたりするということです。

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最終更新:9/17(火) 6:20
東洋経済オンライン

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