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個人情報は筒抜けでも国民に不満はナシ。監視ユートピア・中国から日本は何を考えるべきか?

9/17(火) 6:00配信

週プレNEWS

世界第2位の経済大国に成長し、スマホアプリによるキャッシュレス化、さまざまな分野でのAIの活用といった「デジタル技術の社会実装」で、今や世界をリードする存在となった中国。

その一方で、街には大量の監視カメラが設置され、また、スマホを通じて膨大な個人情報が国や大企業に集約される「監視社会化」も急速に進んでいる。

テクノロジーがもたらす利便性の向上と、権力によるデータ支配がもたらす監視社会が同時に進む現代中国。その実像に迫るのが、『幸福な監視国家・中国』(NHK出版新書)だ。著者のひとり、ジャーナリストの高口康太氏に話を聞いた。

* * *

――まず、本書のタイトルに戸惑いました。「幸福な監視国家」とは、どういう意味なのでしょう。

高口 共産党の一党支配が続く中国では、経済発展の裏側で言論の自由が認められず、デジタル技術によって監視社会が強化され人権やプライバシーが侵害されている......という感じで、日本では今の中国がディストピア的な視点で語られたり、報じられたりすることが多いと思います。

しかし、実際には多くの中国人が、そうした現状に不満を抱いておらず、それどころか肯定的に見ています。それを本書では「幸福な監視国家」という言葉で表現しています。

――中国では「監視社会化」は受け入れられている?

高口 中国国民にとっては監視社会の負の側面よりも、IT化やデジタル化がもたらす利益のほうが大きかったということだと思います。

僕はもともと中国の近現代史を研究していたのですが、初めて中国に行った1997年はもちろん、留学していた2004年から08年当時と比べても、中国社会が短期間に遂げた急激な変化には驚かされます。

20年前の中国はいろんな意味で「疲れる社会」で、問題が山積みの「超イケてない社会」でした。ところが、特に21世紀に入ってからはデジタル技術の積極的な導入によって、社会的な課題を次々に克服して、以前とは見違えるほどに便利で安全な洗練された社会へと変貌を遂げました。

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最終更新:9/17(火) 6:00
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