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年金改革への主婦の対抗策は「60歳まで第3号、60歳過ぎたら厚生年金」

9/18(水) 16:00配信

マネーポストWEB

 これまでの年金改革では「パートの専業主婦」(第3号被保険者)が厚生労働省にとって有利な立場として標的にされてきた。

 現在、サラリーマンの妻は働いていても一定以下の収入で夫の扶養家族となっていれば、保険料負担なしで国民年金を受給できる。そこで国は厚生年金の加入義務を強化し、「厚生年金に入って年金を増やしましょう」と加入を誘い、専業主婦に保険料を負担させる方針を推進してきた。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。

「大前提として第3号被保険者の妻が厚生年金に加入するメリットはありません。厚生年金に加入すると、夫の扶養家族ではなくなるため厚生年金だけでなく、健康保険の保険料までも負担しなければならなくなる。年金が多少増えても支払う保険料で損をします」

 だが、今回の年金財政検証で示された年金改革で主婦を厚生年金に加入させるという国の方針を逆手にとって、妻が年金で得をする“秘策”がある。

 厚労省は保険料収入を増やすために国民年金の加入期間を45年間(65歳まで)に延長する方針を検討している。ここに“鍵”がある。北村氏が語る。

「現行制度では妻は60歳になると3号の資格を失う。この制度のまま国民年金の加入期間が延長されると、サラリーマンの妻は60歳から5年間、月額1万6410円の国民年金保険料を払わなければならなくなる。

 どうせ保険料を払うのであれば、パートなどで働いている妻は60歳までは3号に残り、60歳以降はパート先の厚生年金に加入した方がいい。厚生年金の保険料は事業者が半分負担するため、妻は国民年金より少ない保険料で、多い年金をもらえることになります」

 例えば、月給8万8000円のパート勤めの妻が厚生年金に加入した場合、給料から天引きされる保険料は月額約8800円。国民年金の半額で、65歳からは報酬比例の年金を受け取ることができる計算だ。

「厚生年金に加入するなら、いっそ勤務時間を増やしてもっと稼ぐ働き方も選択できます。月給16万円で5年間加入すると、保険料は国民年金とほぼ同じですが、年金額はかなり増えます」(北村氏)

 妻が年下であれば、忘れてはならないのが加給年金の申請だ。夫が65歳になって年金を受給すると、妻の年金受給がはじまるまでの間、夫の年金に年間約39万円が加算される。

 これは妻が働いて厚生年金に加入していても、妻の年収が850万円未満であれば支給されるため、忘れずに申請したい。

 妻はパートでバリバリ働いて給料を稼ぎ、夫は年金に“扶養家族手当”(加給年金)の加算をもらう――、これもダブルインカムの手法だ。

※週刊ポスト2019年9月20・27日号

最終更新:9/18(水) 16:00
マネーポストWEB

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