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2019年のテレビは「買い」 国産は4K有機ELへ

9/18(水) 17:12配信

NIKKEI STYLE

日本のテレビ市場に変化が起きようとしている。ポイントは2つある。高級モデルでの「有機EL」採用比率の増大と、低価格モデルを中心とした「中国メーカー」の躍進だ。現在のテレビはどう変わり、どこを見れば自分にあったものを購入できるのか?

■買い替えサイクルは長期化、小型モデルのニーズは減退

ここ十数年で、テレビの売れ方は大きく変わった。

まず、液晶パネルを使った製品が基本になり、非常に壊れにくくなった。テレビメーカーの独自調査によればテレビの買い替えサイクルはどんどん長くなっている。メーカーや流通関係者へのヒアリングでは「買い替え間隔は8年」という声が聞こえてくる。

次に、低価格商品が売れにくくなった。正確には「低価格で小型の商品が売れにくくなった」と言った方がいい。リビング向けの大型テレビは順調に売れているのだが、寝室や子供部屋などの「個室」向け需要が減った。2011年前後に買われた個室向けは、その後ほぼ「買い替え」「買い足し」が進んでいない。スマートフォンやタブレットの普及もあり、個室での暇つぶしの主軸がテレビからそれらの機器へと移ったことが大きい、とみられている。

その中でテレビメーカー各社は、リビング向けの大型製品へとシフトした。低価格な製品は価格競争が激しく、中核であった小型製品の売れ行きも芳しくないので、メーカーとして差別化がしやすい大型・高付加価値製品を主軸にしたのだ。

日本のテレビ市場は、ずっと日本のトップメーカーが寡占する状況にあった。トップシェアグループである、ソニー、シャープ、パナソニック、東芝で市場のほとんどが構成されている。海外メーカーのシェアはなかなか上がらなかった。大型テレビはなかなか買い替えない。だから、「できるだけいいものを」という指向が強く、さらに、「そうしたものを作っている」というブランド認知が高いトップメーカーに支持が集まりやすい。

■低価格からじわりと広がる中国メーカーのシェア

しかし2018年から状況はかなり変わって来ている。ポイントは中国系企業の躍進だ。

ハイセンス(Hisense)が低価格市場でシェアを伸ばし、トップグループに次ぐ存在になってきた。東芝のテレビ事業はHisenseが2017年末に買収、現在は東芝映像ソリューションとして、「東芝」と「REGZA」のブランドをそのまま使ってビジネスをしている。Hisenseブランドとは別の商品展開だが、資本系列としては同じグループに属する。

そして19年8月末には、テレビで世界シェア3位(英IHSマークイットの調査による)の中国TCLが日本市場に本格参入した。

これらのメーカーの武器は価格だ。中国のディスプレーパネルメーカーが躍進した結果、液晶ならばそこそこ品質のいいものが低価格で手に入る。しかも4Kでだ。結果的に、液晶テレビのコストパフォーマンスは劇的に上がった。

例えばTCLの場合、もっとも安価な4Kテレビ「P8シリーズ」の場合、43型なら5万円で買える(ただしこの製品に4K放送のチューナーは内蔵されていない)。Hisenseも似たような価格帯だ。

従来も、低価格をウリにするテレビメーカーはあったが、それらはテレビを低価格で調達して販売するのに近かった。現在日本市場で存在感が出てきているのは、諸外国で多数のテレビを売っている中国メーカーがそのまま日本に参入した、という形である。そのため、部品の調達能力や量産能力で有利であり、価格競争力が高い。実は技術力もある。画質面ではトップメーカーに劣るが、価格から考えれば十分な満足感を得られる水準といえる。

TCLがどこまでシェアを伸ばせるかは未知数だが、低価格・大型市場を軸に、中国系メーカーのシェアが大きくなっていく可能性は高い。

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最終更新:9/19(木) 7:47
NIKKEI STYLE

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