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飲食店からホールスタッフが消えていく

9/18(水) 5:01配信

商業界オンライン

  先日訪れたガストに、タッチパネルが導入されていました。

 オーダーにタッチパネルを使用している店自体は、それほど珍しくありません。ただ、驚いたのはメニュー以外の「その他サービス」という項目に「食べ終わった食器を下げてほしい」「注文したデザートを持ってきてほしい」という選択肢があったことです。「ついにファミレスでもサービスの自動化が行われるようになったんだ!」と驚きました。

 ファミリーレストランといえば、一般的には卓上にあるワイヤレスチャイムを押すとホールスタッフが注文を取りに来て、頼んだ後は料理が次々と運ばれ、食べ終えたらお客さま自身がレシートを持って会計に向かうというのが私のイメージでした。お客さま側で何かお願いしたいことがあれば、ホールスタッフをその都度呼ぶ必要がありました。

 選択肢にあった2つは、多くのお客さまからよく受けている内容なのだと思います。従来ならホールスタッフが食事の状況を見て合間で行っていたことを、あえてシステム化したのです。

「食器を下げてほしい」の背景にある問題

  確かに外食に行くと、食べ終えた食器が放置されたままになっている飲食店がとても増えたように感じます。店内に入ると新規客の待ち列ができており、混んでいるのかと店内を見渡すと、座席自体は空いているけれど案内がされる気配がない場面によく遭遇するようになりました。数少ないホールスタッフは、既存客のオーダーを取って食事を提供することで手一杯。テーブルが片付けられるまで新規のお客さまは待ち続ける必要があるため、行列ができているのです。

 特に安価な飲食店なら回転率は重要です。本来ならば、初回オーダーを取り終えてキッチンに向かう際には隣のテーブルの食べ終えた食器を片付けるなど、手際よく店内を回していくべきです。食器をどんどん片付けていけばテーブルをきれいにするまでの時間も短縮できますし、長居するお客さまが追加オーダーをしたり、店を後にすることにもつながります。

 ただお客さまに対してスタッフが少ないと、大量の仕事が個人に集中するので、キャパオーバーになってしまいます。もちろん、スムーズに料理を提供できないが故にあえて新規客を案内せず待たせている場合もあるのでしょうが、忙し過ぎて優先順位が見えなくなるホールスタッフも多いのかなと個人的には感じました。

 また「食べ終えた」を判断するにもある程度の観察力が必要です。友達とのおしゃべりに夢中で食べていないだけだったり、追加で頼んだパンにソースを付けるためにあえてメインディッシュの皿を残しているなど、一見食べ終えたように見えてもいろいろな状況があるからです。

「下げようとしたら、まだ食べていると言われた」「食器を下げる前にデザートを出して怒られた」というやり取りが毎回行われてスタッフが疲弊するくらいなら、いっそお客さま側に適切なタイミングを「注文」してもらおうとした判断は納得できます。お客さまの要望を言われる前にくみ取るだけの余裕が、現場になくなってきているのだと思います。

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最終更新:9/18(水) 5:01
商業界オンライン

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