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用途は「気泡を割って遊ぶ」だけ。「気泡わり専用アラビックヤマト」を作ってしまった高橋晋平さんに、なぜそんなモノを作るのか訊いてみた

9/18(水) 12:01配信

FINDERS

世界で335万個売れた「∞(むげん)プチプチ」の作者が独立

洋の東西を問わず、人は子供の頃から手遊びをするものだ。昭和であればペン回し、最近ではハンドスピナーなどのいわゆる“フィジェットトイ(手遊びや手いたずら系のおもちゃ)”の類は、人間の本能的な欲求を満たす道具だからか、時代が変わってもニーズはなくならないようだ。

2007年に国内外で累計335万個の大ヒットとなった、「∞(むげん)プチプチ」というおもちゃを覚えているだろうか?当時、バンダイに在籍していた高橋晋平氏が開発した“フィジェットトイ”なのだが、その高橋氏が今度は「気泡わり専用アラビックヤマト」というおもちゃの開発資金を調達するクラウドファンディングをKibidango(きびだんご)で開始し、139名のサポーターから計43万9900円を集めることに成功した。

現在はバンダイを退職し、株式会社ウサギの代表取締役およびおもちゃクリエーターとして、他企業とコラボした新商品を開発し続ける同氏に話を伺った。

プロジェクトページに記載されている説明文によれば、アラビックヤマトは子どもにとって手遊びおもちゃでもあったという。筆者には遊んでいたという記憶はないのだが、なぜゆえに「気泡わり専用アラビックヤマト」を開発しようと思い立ったのかをまずは訊いてみた。

すると、「小学校時代、学年の男子全員が野球部だったにもかかわらず心臓が悪くて入れなかったため、遊び相手がいない時間に3年間ずっとアラビックヤマトをいじり続けていました。すると偶然、気泡の割り方を見つけ、毎日気泡を割っていました。2018年にそのことを思い出して知人に話したところ、1カ月で同じように気泡を割っていた人が3人も見つかり、これは全国に同じ思い出を持っている人が隠れているはずだ!と思い、気泡わり仲間と出会いたいという気持ちからこのプロジェクトを立ち上げました」というエピソードを語ってくれた。

「共感者と友達になりたい」という気持ちが開発の原動力

「気泡わり専用アラビックヤマト」に限らず、同氏が手掛けるおもちゃには“フィジェットトイ”が多い。その理由については、「昔から感触フェチのケがあり、いろいろなものをずっと手でいじる癖がありました。子どもの頃からその自覚はかなりあり、“大丈夫かな”と心配になった記憶もあります。何かに触れていないと落ち着けなかったのだと自己分析しています」という。また、「∞(むげん)プチプチ」が大ヒットしたことで、触るだけのおもちゃが持つ潜在的な可能性に気付き、より追求するようになったとも話す。

“フィジェットトイ”が持つ可能性を誰よりも肌で感じてきた張本人だけあって、クラウドファンディングが成功裏に終わる確信はあったと思うが、実際にはどの程度の反響を期待していたのか訊いてみた。意外なことに、「今回、まったく予想を付けられなかったのですが、ものすごくニッチな人を集めようとするプロジェクトだったので、購入者が100人集まったらいいな、という願望はありました」という。

同氏の開発実績を眺めていると、ありそうでなかったものが多いことに気付く。新しいおもちゃを開発する際、どういったことを意識しているのか訊ねてみると、「親友や家族が喜ぶものを意識します」という答えとともに、「自分が出会いたい属性のお客さんに刺さるものを作って、共感者と友達になりたいと考えています。自分が好きな人のための商品を作りたいという気持ちで開発をすることが多いです」という答えも返ってきた。

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最終更新:9/18(水) 12:01
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