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トラ寺院から救出のトラ86頭、政府の保護下で死亡、タイ

9/18(水) 17:10配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

タイ政府が発表、救出後の飼育環境が悪かったのか?

 タイの悪名高い「タイガー・テンプル(トラ寺院)」から147頭のトラが保護されて3年、すでに86頭が死亡していることが明らかになった。タイ政府が発表した公式な死因はウイルス疾患。近親交配も遠因になっているという。

ギャラリー:「トラ牧場」が支えるトラの違法取引、写真7点

 ワットパールアンダブアヤンナサンパヌー仏教寺院という正式名称を持つタイガー・テンプルはかつて人気の観光スポットで、トラと一緒に写真を撮ったり、トラの子供にミルクを飲ませたりできた。しかし、ナショナル ジオグラフィックの独占報道やオーストラリアの自然保護NPO「Cee4Life」の調査によって、動物虐待、違法取引を目的とした「スピード繁殖」などが明るみに出た。

 東南アジアには、トラを育てて売るいわゆる「トラ牧場」が何百もあったが、これらの報告をきっかけに、タイガー・テンプルを閉鎖すべきだという世論の圧力が高まった。そして2016年、バンコクの約160キロ西にあるこの寺院から147頭のトラが押収され、政府の保護下に置かれた。

苦しみながら死んだトラたち

 Cee4Lifeの創設者の一人であるシベル・フォックスクロフト氏は修士論文を書くため、2007年にタイガー・テンプルの調査を開始。その後、ナショナル ジオグラフィックと連携し、2016年に報告書を発表した。

 フォックスクロフト氏は、86頭ものトラが命を落としたと知って落胆したが、驚きはしなかったと述べている。フォックスクロフト氏はタイガー・テンプルを訪れたとき、何らかの病気による重度の神経障害の兆候をじかに確認していた。そのため、トラたちが病気になったのは政府の施設ではなくタイガー・テンプルだと考えている。

 フォックスクロフト氏はCee4Lifeのウェブサイトに発表した声明の中で、「メク・ジュニアというトラは2015年、すでに重い症状でした。壁に向かって歩いているとき、後ろ脚の力が弱く、時折、方向感覚を失っていました」と振り返っている。

「私はメク・ジュニアの状況を公にして、彼を助けてほしいとタイガー・テンプルに懇願しましたが、彼らは取り合わず、彼は元気だと言いました。しかし、元気とは程遠い状況で、結局、苦しみながら死んでいきました」

「もしタイガー・テンプルが存続していたら、トラたちは押収されることなく、やはり同じ病気で命を落としたでしょう。彼らは死体の皮をはぎ、販売していたはずです」

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