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東京オフィス市場…「働き方改革」の影響はさらに拡大か?

9/18(水) 13:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

ロサンゼルスを本拠とする世界最大(2018年の収益に基づく)の事業用不動産サービス会社、シービーアールイー株式会社(CBRE)が全国主要オフィスエリアの市場動向をリサーチした「賃貸不動産市場その動向と相場 2019年6月期」より一部抜粋し、東京と横浜エリアの2019年6月期のオフィス市場について見ていきます。

東京:大型移転は一巡し、コワーキングが出店は加速

◆オールグレード空室率が上昇

日本経済は、今年1月で、戦後最長の「いざなみ景気(73ヵ月)」を超えたとされている。各シンクタンクの発表では、2019年度の景気減退を不安視する意見を多く目にするが、人手不足に伴う省力投資が景気の支えとなっているようだ。実際、総務省統計局が発表する完全失業率も、2019年5月時点で、前月と同じ2.4%と低水準で推移している。

東京のオフィス市場では、今年に入り大型移転や館内増床は一巡した感があり、既存ビルの空室は館内増床では決まらず、一般募集になるケースが増えた。しかし、これまで一般募集が極端に少なかったこともあり、物件によっては候補テナントが多数集まる状況である。新築ビルでは、引き続き誘致が順調に進んでいるものの、昨年と比べて、賃料水準の高い物件を中心に、検討スピードがやや緩やかになってきたように感じる。

2019年6月期の東京オールグレード*ビルの空室率は、対前期(同年3月期)比0.1ポイント上昇した。こうしたマーケットの変化を、賃貸人・賃借人共に敏感に察知しているものと思われる。

*グレードについては、記事下の資料を参照

◆コワーキングオフィスの出店急増

2018年9月に発表した『コワーキングオフィスに関するレポート』によると、都内の市場規模は推計6.6万坪。2000~2016年までに開設された面積が3.3万坪だったことを考えると、この2年間で急拡大したことは明らかであり、賃貸オフィスマーケットにおける存在感は非常に大きくなっている。

以前は、数名規模のスタートアップや短期プロジェクトのための利用が多かったが、最近では、50~100名規模の本社移転を、賃貸オフィスからコワーキングオフィスへ、といった事例も出てきた。背景には、コワーキングオフィスの大型化もあると思われるが、この動きはまさに働き方改革の一端であり、オフィス(働き方)に対する企業の意識改革が見て取れ、大変興味深い事例と言えよう。

また、Googleも、日本法人本社を置く「渋谷ストリーム」に、世界で7拠点目となる「Google for Startups Campus」を年内にオープンすることを発表して、注目を集めている。コワーキングオフィスの新規出店は、年内も続くと見込まれており、賃貸オフィス市場における存在感は、今後どこまで高まっていくのだろうか。

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最終更新:9/18(水) 13:00
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