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米名門大学への登竜門「ボーディングスクール」の教育法とは?

9/18(水) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

キャンパス内に寮を有し、学業だけでなく、共同生活を通じて社会性の育成までをサポートするボーディングスクール。多様性を重要視する富裕層が、我が子を通わせたいと注目しています。本記事では、SAPIX YOZEMI GROUPの海外事業開発部長・髙宮信乃氏が、その実情について解説します。

米高等教育のはじまりを担った「ハーバード大学」

大学進学準備を目的としたPrep(Preparatory) Schoolと位置付けられる北米のボーディングスクールを語るために、まずはアメリカの高等教育史を紐解いてみましょう。同国の高等教育の嚆矢は1636年に創立されたハーバード大学(Harvard University)ですが、Harvardは元々、清教徒会衆派の指導者を育成する“神”学校でした。当時の大学に期待されたのは宗教的リーダー、すなわちコミュニティの指導者を育成することだったのです。

マサチューセッツ(Massachusetts)州ボストン(Boston)近郊のケンブリッジ(Cambridge)で産声を上げた米国の高等教育は、当初、私立大学が主導しました。東海岸の北部に始まり、徐々に南へ西へと大学は広がっていき、ミシシッピ(Mississippi)川まで西進すると、間を飛ばして一気に西海岸に進出します。そして、1891年、カリフォルニア(California)州にスタンフォード大学(Stanford University)が誕生しました。なお、私立大学が手薄な地域では、主に州立大学が高等教育を支えています。

このような背景を知ると、Ten Schoolsと呼ばれるボーディングスクールの名門校がニューイングランド(New England)地方・中部大西洋岸(Middle Atlantic)に集中している理由がよく分かります。これらの学校は歴史的・地理的に有名大学と強いつながりを持ち、例えば、フィリップス・エクセター・アカデミー(Phillips Exeter Academy)ならばHarvard、フィリップス・アカデミー・アンドーヴァー(Phillips Academy, Andover)と言えばイェール大学(Yale University)、ローレンスビル・スクール(The Lawrenceville School)ときたらプリンストン大学(Princeton University)といった組み合わせがよく知られています。

さて、地域のリーダーの養成機関から発展していった名門大学にボーディングスクールは多くの卒業生を送り込んできました。ボーディングスクールでもリーダーシップ育成のための様々な教育プログラムを提供しており、その特色を挙げるとすれば、寮生活は絶対に外せません。多くの学校が良く言えば自然豊かな、悪く言えば不便な場所にあります。俗世の喧騒から離れて、教職員と寝食を共にしながら、リベラルアーツを学ぶという伝統がこれらの学校にはあります。寮は主に2~4人部屋で、他の寮生と掃除やごみ捨て等の役割分担を決め、共同生活を通じて社会性を育みます。

広大なキャンパスには寮をはじめ、校舎、図書館、スポーツ施設など、学校生活に必要なファシリティーが全て揃っています。学校によっては、演劇場や、最先端の技術を導入したラボなどを設けているところもあります。例えば、ニューハンプシャー(New Hampshire)州にあるPhillips Exeter Academyは、ボストン空港(General Edward Lawrence Logan国際空港)から車で2時間ほどかかりますが、271万㎡(東京ドーム58個分)の敷地は日本の大学のキャンパスで最も広い九州大学・伊都キャンパスに匹敵する大きさで、様々な設備がゆったりと配置されています。

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最終更新:9/18(水) 10:00
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