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臓器を共有すると、夫婦の関係はどう変わるのか

9/18(水) 13:01配信

現代ビジネス

夫婦で腎臓移植をする。人生を左右する手術を経て、夫婦の関係はどのように変わったのか? そこから見えてくる夫婦・家族のかたちとは? 新刊『それでも、母になる: 生理のない私に子どもができて考えた家族のこと』(ポプラ社)より特別公開! 

夫と腎臓をはんぶんこして生きる~38歳で臓器移植をした夫婦の物語

前回はこちら:夫はなぜ妻への「腎臓提供」を決めたのか、その恐怖と本心

夫から腎臓を分けてもらった

 そして迎えた手術当日。

 はるかさんは1週間前から、たくまさんは前日から、入院し準備を進めていた。

 オペの直前に医師から最終的な覚悟 を問われ、同意をしたところで、ふたりで歩いてオペ室へ向かった。

 別々の部屋に入り、希望を持ってどこか少しわくわくしているはるかさんに相反して、たくまさんは手術台に上る際、恐怖で足ががくがく震えた。

 同じタイミングで全身麻酔を打ち、内視鏡でたくまさんの腎臓を取り出し、はるかさんの身体のなかに埋め込んでいく。たくまさんは2時間半ほど、はるかさんは待機時間も含めて6時間ほどの時を経て、手術は無事終了。

 腎臓病の診断を受けて25年、腎不全になって2年、38歳の頃に、はるかさんは夫から健康な腎臓をひとつ分けてもらった。

 HCU(高度治療室)ではるかさんが眠りから覚めると、父と義父と義母に名前を呼ばれ、なんだか世界が騒々しかった。意識はあるが、身体中が痛い。

 一般病棟に入院しているたくまさんと術後に会った際、たくまさんが「包丁でメッタ刺しにされた感じ」とつらそうな表情を見せたことも気がかりだった。

深まったふたりの夫婦関係

 術後、たくまさんは3日間、はるかさんは6日間入院し、帰宅。お互いにメスを入れた身体が痛くて動けず、近くに暮らすたくまさんの両親の手を借りざるを得なかった。

 移植手術をする前、はるかさんの心のなかには「愛が冷めて、夫が変わってしまったらどうしよう」という心配があった。だからこそ、たくまさんの沈んだ表情やどこかよそよそしい会話に敏感になり、胸がちくちく痛んだ。

 たくまさんは傷口を見るのが怖いとはるかさんの身体にも触れようとしない。お互いが動いてベッドが揺れるだけで痛みを感じるため、一緒には眠らなかった。そんな、どこかギクシャクした夫婦関係に、はるかさんは不安を抱いた。

 ところが、それは杞憂に終わる。術後1ヵ月が経過した頃、徐々に身体が回復してくると、これまでの夫婦関係に戻った。たくまさんはいつも通り優しく、同じベッドで寝るようになり、はるかさんの身体にも触れた。

 はるかさんへの愛が冷めたわけではなく、たくまさんは術後の身体の痛みと仕事復帰へのプレッシャーに押され、心に余裕がないだけだったのだ。ふたりの夫婦関係は、これまで通りに、いや、これまで以上に深まっていた。

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最終更新:9/18(水) 13:01
現代ビジネス

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