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トランプ再選の鍵は好況の維持、「FRB頼み」では限界

9/18(水) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 来年11月の大統領選挙を前に民主党では候補者選びが始まり、トランプ大統領の再選の可能性についての議論も増えてきた。

 ニューヨークや、ワシントンで聞こえる声を総括すれば、トランプ大統領の支持率は特に高くもないのだが、かといってトランプ大統領を打ち負かすほどの求心力を持った対抗馬がいない、というのが現状だ。

 オバマ政権時の副大統領を務めたバイデン氏でさえ、民主党支持者の間での支持率は高くても、「大統領に選ばれるか?」との世論調査では評価はぱっとしない。

 流れがどうなっていくかは、今後の米国経済次第という面が強くなっている。

● 景気後退で再選果たせなかった 2人の大統領の失敗

 先の世界大戦以降の歴代大統領12人のうち、再選できなかったのはフォード大統領(1974年8月~1977年1月)、カーター大統領(1977年1月~1981年1月)、ブッシュ(父)大統領(1989年1月~1993年1月)しかいない。

 もともとフォード大統領は、ウォーターゲート事件で、当時のニクソン大統領が辞任したのを受けて副大統領から昇格したこともあって暫定的な要素が強かったが、カーター大統領とブッシュ(父)大統領は、景気後退で支持率を落としたのが原因だった。

 カーター大統領はイラン革命による原油価格急騰による高インフレと不況に見舞われるなか、経済政策のかじ取りに失敗、米国のイラン大使館人質事件の対応のまずさから支持率を落とし、再選に挑んだ80年の大統領選で敗北を喫した。

 ブッシュ(父)大統領は、任期中の湾岸戦争に多くの政治的エネルギーを使うことになる一方で、戦争後の景気後退のもと増税に踏みだそうとして反発を受けることになった。

 今回はどうか。トランプ大統領の再選戦略の基本にあるのは、今年7月で過去最長の11年目に入った景気拡大を維持することだろう。

● 政治的思惑で 中国には強硬姿勢

 ただ、2018年の米国経済は、大減税の恩恵で景気は押し上げられたが、今年以降はその追加効果がないため、大統領選挙に向け右肩上がりに成長率を上げていくことは難しい。

 トランプ大統領が米連邦準備制度(FRB)のパウエル議長に執拗に利下げを求めているのも、このことと関係があるように思われる。

 中国に対して貿易戦争を仕掛けたのは、制裁関税実施などが米国経済にも負の影響が跳ね返ってくることをある程度、予想はしながら、中国に強硬姿勢をとることが支持につながるという政治的な思惑からだろう。

 8月初めからの攻勢はすさまじかった。米中協議が停滞するなか、8月1日に突如、対中制裁関税第4弾の発動を表明し、5日には中国を為替操作国に指定した。

 中国側に譲歩の姿勢が見えないとみると、13日には中国の通信機器会社5社を貿易取引から締め出し、さらに23日には第4弾の追加関税の税率を当初の10%から15%へと引き上げた。

 このところ、強硬姿勢にはやや変化が見られ、10月1日から、関税率を現在の25%から30%へ引き上げるとしていた第3弾(2000億円相当の中国からの輸入品に対する制裁関税)の発動を15日間、延期することを表明したのは、10月1日が中国の建国70年の節目にあたり、劉鶴副首相から延期要請があったとのことへの配慮といわれている。

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最終更新:9/18(水) 6:01
ダイヤモンド・オンライン

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