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フレームワークに頼りすぎる人が見落とす視点

9/18(水) 6:30配信

東洋経済オンライン

経営手法・フレームワークを丸暗記する必要はないが、「そういったものがある」ことは知っているほうが効率的である。経営戦略、マーケティング、組織・人事、財務・M&Aといった観点で早稲田大学大学院ビジネススクール教授の山田英夫氏がまとめた著書『ビジネス・フレームワークの落とし穴』から製品ライフサイクルについて一部抜粋のうえ、紹介する。

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■突然若返った”初恋の味”

 人間に、生まれてから死ぬまでの一生があるように、製品にも市場に初めて出されてから陳腐化し、市場から撤退するまでの一生がある。これを製品ライフサイクル(Product Life Cycle)と呼んでいる。

 よく使われるモデルに、図表のようなものがあり、ステージの早い順に、導入期、成長期、成熟期、衰退期と呼ばれている。ここで導入期とは、製品が市場に導入されたばかりの時期であり、売り上げの伸びも緩慢である。また、製品導入にかかわるマーケティング支出が大きいため、利益はマイナスとなる。マーケティングの中心は、顧客の製品認知にある。

 次の成長期は、製品が急速に市場に受け入れられていき、売り上げも順調に増加する時期である。参入企業数も増え、利益も出てくる。

 マーケティングの中心は、市場浸透とブランド選好を高めることにある。 成熟期は、売り上げの伸びが止まり、限られたパイの奪い合いとなる。マーケティングの中心は、差別化によるシェアの防衛にある。

 最後の衰退期は、需要が減退し、売り上げも下がり、利益も減退していく。マーケティングの中心は、生産性の向上にある。 こうした製品ライフサイクルの違いによって、企業のとるべきマーケティング戦略の定石も、図表のように異なっている。

 「今、この商品はライフサイクルの上でどの段階にいるのか」という問いは、マーケティング戦略を考えるうえで、とても知りたいことである。しかし残念なことに、この問いに対する正解はない。

 例えば、1919年に発売されたカルピスは、かつては「初恋の味」と言われ、人気を誇ったが、1980年頃には売り上げの伸びもなく、誰もが”成熟期の商品”であると思っていた。

 当時は濃縮されたカルピスを自分で水で薄めて飲むタイプ(コンク式)しかなかった。

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最終更新:9/18(水) 6:30
東洋経済オンライン

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