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サウジ攻撃、余波は原油価格急騰だけではない

9/18(水) 6:00配信

東洋経済オンライン

 サウジアラビア東部の石油生産設備が9月14日、無人機(ドローン)の攻撃を受けたことで原油価格が急騰している。

【グラフ】サウジは世界有数の原油生産量を誇る

 ニューヨークの原油先物価格WTIは13日の1バレル54.85ドルから約15%上昇し、16日には同62.9ドルへ急騰した。

 折しも米中貿易摩擦などによる世界経済の減速懸念が出ており、原油価格の上昇が世界経済にどのような影響を及ぼすのか、不透明な展開が続きそうだ。

■日本の原油輸入の4割をサウジに依存

 サウジの国営石油会社サウジアラムコによれば、今回の攻撃によって日量570万バレルの石油供給が停止したという。中東最大の産油国であるサウジの生産量は日量約1000万バレルにのぼる。その半分以上の生産力が一時的にせよ失われるとなれば、その影響がいかに大きいかがわかるだろう。

 原油輸入量の約4割をサウジ産原油に依存する日本にとっても由々しき事態だ。

 経済産業省は17日、対策本部を設置し、IEA(国際エネルギー機関)や関係国と連携して供給量を確保する方針だ。今のところ、各国の戦略備蓄等を活用すれば、原油供給がすぐさま逼迫するとは考えにくい。

 しかし、当面は原油価格の値動きに地政学リスクが織り込まれることは確実と言えそうだ。仮に原油高が続けば、ガソリン価格はもちろん、さまざまな石油製品価格を押し上げることになる。

 ドローン攻撃を受けたのは、サウジ東部に位置するアブカイク、クライスの石油生産設備だ。特にアブカイクはサウジ最大の石油埋蔵量を誇るガワール油田から産出された原油の前処理を行っている。クライス油田もサウジ有数の油田の1つで、攻撃されたのはまさにサウジ原油生産拠点の中核といえる。

 これだけ重要な石油生産設備への攻撃を許したことは世界中に衝撃を与えた。ある石油業界関係者は「サウジには防衛能力がないのではないかとマーケットは不安を感じている」と話す。というのは、これまでサウジの防衛体制は一定程度評価されていたからだ。

■消えぬサウジの石油関連設備への脅威

 実は、アブカイクが攻撃を受けるのはこれが初めてではない。2006年にもアルカイダによる自爆テロの標的となったが、設備が被害を受けるには至らなかった。しかし、今回は万全の警備体制を敷いているはずだった設備で大規模な被害を受けた。

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最終更新:9/18(水) 6:00
東洋経済オンライン

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