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米中貿易戦争とアメリカの景気をどう読むか

9/18(水) 6:00配信

東洋経済オンライン

 現在、景気は明らかに減速している。アメリカ経済の今年の4~6月期の成長率は年率2%、7~9月期もおよそ2%で10~12月期には1.3%程度になり、来年の1~3月期も減速するとみている。しかし、来年、景気後退に陥るとは思っていない。弱くなっていくデータを見て、FRBが金融緩和を行って下支えに貢献するだろう。

 FRBは今後の6カ月で0.75%ポイントの利下げを行って、1.3%までFFレートは下がってくる。そうすると切り下げ余地の半分を使い切り、ECB(欧州中央銀行)や日本銀行にかなり近い手詰まり感が出てくる。ここで景気に悪い材料が出ることを懸念している。

 景気後退に見舞われるリスクは2021年のほうが高まるとみている。2021年には利下げという手段を使い果たしており、選挙も終わっていて再び貿易戦争が激化する可能性があるからだ。

 ――ニューヨーク連邦準備銀行前総裁のビル・ダドリー氏が、FRBはトランプ大統領の要求に応えるべきではないという主旨の寄稿をして話題になっています。

 トランプ大統領が関税をかければ、経済や市場に悪影響が出る。そこでFRBが利下げすると景気が持ち直す。しかし、持ち直すと大統領がさらなる関税をかける。そういう悪循環に陥っているという指摘だ。その負のループの指摘自体は正しいが、「だからFRBが緩和をすべきではない」ということを彼は言うべきではなかったと思う。FRBの仕事は経済を安定化させることだ。

 ――投資家からは財政拡張策への期待感もあるようです。

 トランプ大統領はもう一段の減税を視野に入れているようだ。しかし、下院は民主党が過半数を握る「ねじれ」の状況にある。民主党は選挙の前には経済にプラスになる政策は認めたがらない。トランプ大統領の再選につながりかねないからだ。減税に反対し、財政出動にも躊躇している。こうした政策を認めるのは選挙後ということになりそうだ。ただ、景気が明らかに悪くなれば財政出動もあるかと思う。

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最終更新:10/4(金) 17:07
東洋経済オンライン

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