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丸佳浩の“凄さ”とは 広島時代の盟友が明かす「巨人」でも成功した理由

9/18(水) 11:01配信

デイリー新潮

 5年ぶりのセ・リーグ優勝を狙う巨人。チームには「優勝請負人」と呼ぶべき存在がある。昨年まで2年連続でリーグMVPに輝き、今季からフリーエージェント(FA)制度で広島から移籍した丸佳浩だ。

 これまで何人もの選手が苦しんだ巨人へのFA移籍で、丸は1年目から主に3番打者として全試合に出場し、打率3割をキープしている。今季から自身3度目の就任となった原辰徳監督に復帰1年目から8度目の栄冠をもたらしつつある丸の凄さとは何か。丸の入団時から広島で同じ外野手としてプレーし、今季から野球解説者となった天谷宗一郎氏に聞いた。

「今季から『巨人の丸』になったわけですが、現在の活躍に関しては、全く驚きはありません。環境の変化や大型契約のプレッシャーなどを懸念する声もありましたが、これまでの丸を知っている私にすれば、どこに行っても同じような成績を残せるはずだと思っていました」

 天谷氏がプロ8年目の2008年に入団した丸は、高卒1年目からファームで打率.288の成績を残した。同じ年に一軍で135試合に出場し、定位置の座をつかみ始めた天谷氏にとっても、その高い打撃技術は脅威に感じたという。

「打撃技術で一番凄い、うらやましいなと思っていたのは、低めのボール球になるフォークやチェンジアップを全く振らないことです。この選球眼の良さが、昨年のような驚異的な四球数(130個)と高い出塁率(.468)につながっています。以前にその秘訣を聞いたことがあるのですが、『自分は身体が硬いので、低過ぎる球にはバットが止まるんです』と訳のわからないことを言っていましたね。ただ、体の柔軟性の話はともかく、これは新井宏昌さんの教えがあったからだと思います」

 13年から3年間、広島で打撃コーチを務めた新井宏昌氏は、オリックス時代には、あのイチローも指導した名コーチとして知られる。この新井氏と、その後任の石井琢朗コーチ(現・ヤクルト一軍打撃コーチ)が、現在の丸の打撃を作った。

「新井さんの理論は、落ちるボールには手を出してはいけない。追い込まれるまでは、真っ直ぐとスライダーなど、自分の体の方に入ってくるボールを待つというものです。それを徹底したことで、低い球に対処できるようになった。新井さんの指導の元、14年に初めてシーズン打率3割を記録しましたが、翌年は極度の打撃不振に陥りました。その年のオフに石井琢朗さんが打撃コーチになり、秋のキャンプから2人でずっと練習に取り組んでいました。現在の構えたバットを大きく動かす、ヒッチを入れたフォームを取り入れて、それを打てない時でもずっとやり続けた。その結果、今の丸があるのではないでしょうか」

 石井コーチには技術的なことだけでなく、打席での姿勢や気持ちの部分も学んだ。

「丸だけでなく、カープの選手みんなが琢朗さんに教えてもらったことが、打席での考え方です。丸の低目を振らないということも、低いボールに手を出さないというよりも、自分が打つべきボールを打っていく、と考える。それ以外は振らない、という考え方です。琢朗さんが言うには、これをやってはいけないと思うと、どうしてもひとつ、変なものが頭に入ってしまう。例えば、ワンアウト三塁の場面で、最低でも外野フライを打たなければならない時は、低目を打ってはいけないではなく、高目を打とうと考えようと。三振してはならないではなく、なんとかバットに当てる。そんな風に、常にいい方に考えるのが、今の丸のバッティングの形につながっていると思います」

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最終更新:9/18(水) 14:14
デイリー新潮

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