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FRBのパウエル議長の記者会見-Challenging time

9/19(木) 7:39配信

NRI研究員の時事解説

はじめに

FRBは今回(9月)のFOMCで25bpの利下げを決定した。パウエル議長は、前回(7月)と同じく「保険」としての意味合いを説明するとともに、経済のファンダメンタルズは堅調であるとし、連続的な利下げが必要な局面ではないとの見方を示した。

景気と物価の見通し

まずは景気と物価の見通し(SEP)を確認しておきたい。

2019~21年にかけての実質GDP成長率の見通し(median)は、+2.2%→+2.0%→+1.9%と、前回(6月)に比べて2019年と21年がともに0.1%ppとわずかながら上方修正された。また、今回新たに示された2022年の見通しは+1.8%とされた。

「長期」の成長率見通しは+1.9%に据え置かれたので、メインシナリオとしては今後数年にわたって潜在成長率付近で推移すると予想していることを意味する。

2019~21年にかけてのコアPCEインフレ率の見通し(median)は、+1.8%→+1.9%→+2.0%と前回(6月)と不変であった。2022年の見通しも+2.0%とされたので、メインシナリオとしては今後数年にわたって目標近傍で推移すると予想していることになる。

パウエル議長も質疑応答の中で、米国経済が前回(6月)の見通しに概ね沿った線で推移していると説明したほか、今回(9月)の声明文における景気や物価の評価も、設備投資と輸出について「軟調」っから「弱まった」へと評価を変えた以外は、前回(7月)と同じ表現が用いられている。

政策決定

今回(9月)のFOMCは利下げを決定したが、焦点となっていたF政策金利の見通し(median)は、2019~22年の各年末について1.9%→1.9%→+2.1%→2.4%とされた。

新たな政策金利(レンジの中央値)は1.875%であることや、「長期」の政策金利が2.5%で不変であったことを考えると、利下げは今回で一段落し、2021年以降に緩やかな利上げを通じて中立金利に近づくのがメインシナリオとなっていることを意味する。

ただし、FOMCメンバーの間での見方の相違は相応に大きい。今回(9月)のdot chartをみると、2019年末の政策金利についても、 1.625%(25bpの利下げ)を予想する向きが7名、1.875%(現状維持)が5名、2.125%(25bpの利上げ)が5名と3つのグループに分かれている。

なお、2020年末の政策金利は、1.625%が8名と増える一方で、 1.875%が2名、2.125%が6名、2.375%が1名となり、連続利下げを予想する向きは皆無である一方、1回程度の利上げは可能と考える向きが相応に存在することを意味する。

ちなみに、「長期」の分布については、前回(6月)と概ね同様で2.5%に見方が集中しているが、それより下方と考える向きが1名から3名へ増加しており、引続き下方修正の可能性が示唆される。

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最終更新:9/19(木) 7:47
NRI研究員の時事解説

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