ここから本文です

GKからFWになり開花。アーセナルに加入した俊英の転機は父の転勤? 【フランスで飛躍した逸材のルーツ探訪】

9/19(木) 5:40配信

SOCCER DIGEST Web

アーセナルでも選んだこだわりの「19番」の意味

 昨シーズンのリーグ・アンで主役級の活躍を示し、今夏にプレミアリーグへとステップアップの移籍を実現したペペ、ヌドンベレ、サンマクシマンの3選手は、どんなバックグラウンドの持ち主か。それぞれルーツに迫るこの企画。初回はリールから約100億円でアーセナルへ渡った逸材、ニコラ・ペペだ。

【動画】パリSG戦で決めたペペのゴラッソはこちら!

――――◆――――◆――――

 リールで背負い、アーセナルでも選んだこだわりの「19番」は、大切な故郷を示す数字だ。そのナンバーは、少年時代を過ごしたパリ19区(パリ北東部の19区は隣の18区と並びアフリカ系移民が多く住む下町)に由来する。キャリアの始まりは、地元のFCソリテール・パリ・エストという小さなクラブ。6歳で門を叩き、16歳までプレーした。
 当時のニコラ・ペペがゴールを決める時間帯は、試合終盤に限られた。チームの勝利がほぼ確実になり、好きなポジションでプレーできる自由が与えられないかぎり、アタッカーとしてはピッチに立てなかったからだ。コートジボワールにルーツを持つ少年のFCソリテール時代の持ち場は、FWではなくGKだったのだ。

 守護神としても、優秀だった。実際、U-12のトーナメントに出場した際には、大会のMVPと最優秀GKに輝いたことがある。

 大きな転機は2011年、パリ南西部のコミューン(地方自治体)、ポワティエへの移住だ。刑務所監視員だった父親がヴィボンヌ刑務所に配属されたため、通勤しやすいポワティエに家族とともに引っ越したペペは、地元ポワティエFCでついにアタッカーにコンバートされるのだ。以降、メキメキと頭角を現わしていった。

「以前はプレーを楽しんでいた。だが、いまはゴールを楽しんでいる」

 2013年には隣県のSCOアンジェ(当時2部)に移籍。1年目はリザーブチームを主戦場に経験を積み、2年目に晴れてトップデビューを飾る。翌2015-2016シーズンは3部のオルレアンにレンタル移籍。そこでも腐らず努力を重ね、29試合で7ゴールの好成績を残してチームのリーグ・ドゥ(2部)昇格に貢献してみせた。

 オルレアンを率いていたオリビエ・フラポリ監督は、当時の課題についてこう語る。

「単独で大きな違いを作り出せるが、フィニッシュに持ち込むプレーが苦手だった」

 しかし、2016-2017シーズンに復帰したアンジェでペペは、さらなる進化を遂げる。

「以前はプレーを楽しんでいた。だが、いまはゴールを楽しんでいる」

 ペペの変貌ぶりをそう評したのは、アンジェのステファン・ムニエ監督だ。

 2017年夏に渡ったリールで大ブレイクを遂げ、プレミアリーグへの挑戦権を掴んだペペ。彼自身はきっと、心のクラブであるパリSGへの移籍を夢見ていたはずだ。しかし、その想いを口に出すことはない。夢をそっと胸に秘め、プレミアリーグのゴールを目指して走る決意だ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト9月19日号』より転載

最終更新:9/19(木) 6:05
SOCCER DIGEST Web

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事