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倒産に意外な前兆 信用調査のプロが明かす察知のコツ

9/19(木) 6:20配信

NIKKEI STYLE

『倒産の前兆』

倒産や経営破綻はその企業だけでなく、取引先や出資者にも多大なダメージを与えかねない。いきなりの知らせで動揺しがちだが、『倒産の前兆』(帝国データバンク情報部著、SBクリエイティブ)をまとめた帝国データバンクの丸山昌吾氏は「いくつかの予兆に気づけば、事前に察知できる確率は高まる」という。たくさんの実例を踏まえて、倒産した企業に共通する「兆し」を教えてもらった。

1900年に創業した信用調査の老舗

帝国データバンクは国内最大級の企業情報データベースを持ち、企業信用調査に定評がある。取引先企業の財務や資本構成などに関する「身体検査」を依頼する企業は多い。本書には1900年の創業以来、119年にわたる独自調査のノウハウが詰め込まれている。同社が作成した「危ない会社のチェックリスト」の項目数は99にのぼる。「実際に足を運んで、経営トップから話を聞くことが大切だが、そうした調査が難しい一般のビジネスパーソンでも応用できるチェック項目は少なくない」と、丸山氏はいう。

たとえば、本社の移転は分かりやすい動きだ。以前よりも交通利便性が劣る場所や、狭いオフィス、築年数が古い建物などに移った場合は、オフィス賃料を節約する必要に迫られる資金難が疑われる。逆に「やたらと賃料が高そうなビルに移るのも、見えを張っている場合があり得る」(丸山氏)。働き手の増員やビルの建て替えといった具体的な理由を伴わない移転は「理由を考えてみたほうがよい」(丸山氏)。

電話越しに分かる予兆もある。代表電話の対応が代行サービスに変わった場合は「電話に出たくない事情があるのでは」という推測もできる。具体的には債務者からの取り立て電話を避けたいケースがこれにあたる。社員が電話に出た場合でも、反応の遅さや声のトーン、「上司不在」の頻度などからモチベーションの低下、空気のよどみなどを感じ取れる。経営トップをはじめ、幹部が電話に出るのを避けるのも不穏なムードを感じさせる。

企業の経営実態は「カネ」に表れやすい。「現金払いの割合が下がった」「支払いの遅延が続く」などは資金繰りに困っている場合に起こりがちな現象だ。借り入れの増額、メインバンクの変更なども経営不安を示すとされるが、「外部からはなかなかキャッチしにくい」(丸山氏)。しかし、取引先の間ではうわさになりやすいから、「取引先の取引先」にもアンテナを立てておきたい。

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最終更新:9/19(木) 6:20
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