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次回決定会合への市場の注目を高める日銀

9/19(木) 13:56配信

NRI研究員の時事解説

対外公表文に強いメッセージ

9月18、19日に開かれた金融政策決定会合で、日本銀行は大方の予想通りに金融政策の変更を見送った。国内経済がなお安定を維持し、ドル円レートが1ドル108円台とクリティカルな水準である1ドル100円までには距離があり、また、日経平均株価も2万2千円台と比較的高めの水準にある中、日本銀行は追加緩和を急ぐ理由はないだろう。日本銀行は現状では、できる限り追加緩和の実施を先送りし、温存したいと考えているだろう。

他方、今回の決定会合の最大の注目点となったのは、対外公表文に新たに加えられた以下のメッセージ性の強い文言をどう解釈するかである。

「日本銀行は、『物価安定の目標』に向けたモメンタムが損なわれる惧れについて、より注意が必要な情勢になりつつあると判断している。こうした情勢にあることを念頭に置きながら、日本銀行としては、経済・物価見通しを作成する次回の金融政策決定会合において、経済、物価動向を改めて点検していく考えである。」

この文言については、2つの解釈が成り立つだろう。第1は、次回10月の決定会合で追加緩和措置を実施するとの予告、第2は、円高リスクを軽減し、追加緩和までの時間稼ぎを狙った市場へのリップサービス、である。

足もとの経済・物価環境には大きな変化はない

双方の可能性が考えられるが、現状では、第2の側面の方がやや強いのではないかと思われる。そのため、10月の決定会合で高い確率で追加緩和措置が実施される、と現時点で決めつけるのは危険ではないか。

前回7月の決定会合の対外公表文では、「先行き、物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる惧れが高まる場合には、躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講じる」との文言を示し、緩和実施の可能性を匂わせ、円高をけん制した。今回の文言ではそのトーンを一段上げると共に、次回会合での「展望レポート」に市場の注意を強く向けさせたのである。この文言を素直に読めば、次回会合での金融緩和実施の可能性を示唆していると言えるかもしれない。

しかし、足もとの経済、物価環境は7月時点の展望レポート時点から大きく変化はしていない。消費増税前の駆け込み購入の動きが弱いなど、むしろ当面の経済の下方リスクはやや低下している面もある。

状況に大きな変わりがなければ、10月の展望レポートで追加緩和実施の引き金となる成長率、物価見通しの顕著な引き下げは起きないのではないか。その場合には、「経済、物価動向を改めて点検したものの、物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる惧れが一段と高まったとは考えない」、と日本銀行は説明し、追加緩和の実施を見送ればよいだけだ。

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最終更新:9/19(木) 14:25
NRI研究員の時事解説

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