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8000万ポンドのDFマグワイア、その真の価値は「50ポンド」?

9/19(木) 21:03配信

footballista

DFの歴代最高額選手となった男

 今夏、イングランドのサッカー界で「お金」について注目を集めた選手といえば、レスターからマンチェスター・ユナイテッドに移籍したイングランド代表DFハリー・マグワイアだろう。

 移籍金8000万ポンド(約108億円)は、リバプールのオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクの7500万ポンド(約101億円)を抜いてディフェンダーの史上最高額だった。そのマグワイアが、9月14日のプレミアリーグ第5節で移籍後初めて古巣と対戦した。レスターのファンからは、「失せろ、マグワイア。お前なんか要らない。うちには(チャーラル・)ソユンジュがいる♪」とチャントを歌われながらも、見事に敵の攻撃をシャットアウト。完封勝利に貢献した。

 試合後、ユナイテッドのオーレ・グンナー・スールシャール監督は「価値を証明してくれた」と同選手を称えた。

「ハリーはピッチ内外でリーダーなんだ。チームがボールの保持に苦しんでいると、彼がボールを足下に置いて落ち着かせてくれるのさ」

 開幕4試合で1勝しかできずにいたユナイテッドを、そして指揮官を救ったのは、世界最高額のDFだった……と、移籍金にまつわる話はこのくらいにして本題に入ろう。冒頭で述べたマグワイアの「お金」というのは、8000万ポンドという目が眩む移籍金のことではない。もう少し庶民的な「50ポンド(約6800円)」の話なのだ。

新50ポンド札の肖像にマグワイアを!

 今夏、イングランド銀行は新50ポンド札の肖像に数学者であるアラン・チューリング(1912-1954年)を採用すると発表した。チューリングは、コンピューターのモデルとなるチーリングマシンで知られる英国の偉人である(らしい)。

 では、数学とは無縁に思えるマグワイアに何の関係があるのだろうか? 実は、イングランド銀行が50ポンド紙幣の人選を公募した際、あるフットボールファンがマグワイアを推薦したのである。それも、2018年ワールドカップ期間中にホテルのプールでユニコーン型の浮き輪にまたがっているマグワイアの写真を推薦したのだ。すると、賛同の署名がネット上でなんと5万件も集まり、代表チームメイトのカイル・ウォーカーも「実現させてくれ! 俺は5ポンド札でいいからね」とSNSで支持することに。

 そうしてちょっとした盛り上がりこそ見せたものの、当然、マグワイアが採用されることはなかった。そもそもイングランド銀行は、採用すべき「科学者」の候補を募っており、サッカー選手のマグワイアはそもそも対象外だったのだ。

 いずれにせよ、このニュースを聞いたとき「あの忌々しい50ポンド札ね」と思った方も多いはずだ。英国に滞在したことがあれば、一度は「50ポンド札を受け取ってもらえない問題」を経験しているはずだ。一部の小規模なお店は、偽札を警戒して50ポンド札での支払い自体を受け付けていないのである。

 今回の新50ポンド札は、ユニコーンに乗ったマグワイアこそ拝めないが、受け取り拒否問題は少し改善されるかもしれない。2021年頃から流通予定の新50ポンド紙幣は、従来の紙製ではなく、より偽造が困難なポリマー製になるというのだ。ちなみに、すでに5ポンドや10ポンドのお札はポリマー製に移行しており、20ポンド札も2020年からポリマー製になる予定だという。

最終更新:9/19(木) 21:03
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