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血も涙もない…養父を介護した「長男の嫁」が大激怒したワケ

9/19(木) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

争いが絶えないことから「争族」と揶揄される「相続トラブル」。当事者にならないために、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが肝心です。今回は介護問題に関連した相続トラブルについて、円満相続税理士法人の橘慶太税理士に解説いただきました。

10年に及ぶ義父の介護の末、自宅を追い出された…

高齢化が進むなか、介護の負担が社会問題になっています。さらに介護問題は、相続の現場にも影響を与えているのです。今回ご紹介するのは、そんな介護が絡んでくる、相続トラブルのお話。登場するのは、こんな家族です。

・Aさん(父)

・Bさん(長男の嫁で義父と同居)

・Cさん(Aさんの長女)

・Dさん(Aさんの次男)

Aさんとその妻、Aさんの長男と妻であるBさんの4人は、先祖代々の家に同居していました。ある日、Aさんの妻が他界。その数年後、不幸なことに長男も若くして他界してしまいました。

元々仲の良かった家族です。Bさんは夫を亡くし、義父と二人になりましたが、そのまま同居を継続しました。そして時は流れ、高齢となったAさんに介護が必要となったのです。

「仲がいいとはいえ、介護は大変だろう。施設に入ってもらったらどうだい?」とBさんの母は心配して言いました。

「そんなの嫌よ。お義父さんも、亡くなったお義母さんも、子供のいない私にすごく良くしてくれたの。それにお義父さん、生まれてずっとあの家に住んでいるのよ。愛着のある家を離れたくないじゃないかな」

母の心配をよそに、Bさんは在宅介護にこだわりました。そんなBさんに、Aさんは感謝しかありません。

「Bさん、本当にありがとう。本来はCやDに面倒をみてもらうのが筋だが、知っての通り、あいつらとは断絶状態でな」

「そんなこといいんですよ、お義父さん。これからも一緒に、楽しく暮らしていきましょうね」

段々と体の自由が利かなくなるAさんの介護は、どんどん大変になっていきました。しかしBさんは、常に優しくしてくれたAさんへの感謝もあり、在宅介護にこだわり続けました。

そして10年にも及ぶ介護の末、Aさんは穏やかなに旅立っていきました。そして葬儀で、Bさんは十年ぶりにCさんとDさんに会ったのです。

「今日は、ありがとうございます。Cさん、Dさん」

「まあ、なんだかんだ言っても親だからね。葬儀くらい出るさ」とDさん。

「……」

「Bさん、葬儀の席でなんだけど、この後、色々あるじゃない。相続のこととか」とCさんが切り出しました。

「あっ、そうですね」

「兄さんは亡くなっているから、俺とCの二人でどう分けるかは決めていくわけだけど。とりあえず、Bさん、早くあの家を出ていってくれる?」

「えっ!?」

「だって、Bさんには、あの家を相続する権利なんてないんだし。家なんて相続したって揉めるだけだから、さっさと売ったほうが良いと思うんだよね」

「でも、急に出ていけといっても、何も準備していませんし。ずっとお義父さんの介護で働くこともできず、私自身、お金もないので……」

「そんなの、知ったことではないわ。あんな親に関係するものは、早く処分しちゃいたいのよ」

言いたい放題の二人の主張に、Bさんの我慢は限界に達しました。

「ちょっと待ってください。私は10年もお義父さんの介護をしてきたんです。お二人はこれまで顔を見せることもなかったのに!」

「父の介護を頼んだ覚えはないわ。それに施設に入るくらいのお金、あの人持っていたでしょ」とCさん。

「あなた自身、お金があるとか、ないとか、どうでもいいんです。とにかく、面倒なことは早く終わらせたいんで、早急にあの家を出ていってください」とDさん

血も涙もない二人に、怒り心頭のBさん。しかし血の繋がりのない自分には、相続する権利もない……。ただただ怒りに震えることしかできませんでした。

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最終更新:9/19(木) 9:00
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