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緊急!家計を支える「父の不動産」の相続税が…2億6千万円!?

9/19(木) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

会社を辞め、埼玉で賃貸管理業を行っていたCさん。平穏に暮らしていた最中、農家を営む父が余命1カ月であり、「2億6000万円」の相続税が発生することが判明。しかし、Cさん家族が自由に使えるお金はわずか500万円。「もう目の前が真っ暗になってしまいました」と同氏は語るが…。※本記事は、株式会社福田財産コンサルの福田郁雄氏、木村祐司税理士事務所の木村祐司税理士の共著書『余命一カ月の相続税対策』(幻冬舎MC)の一部抜粋です。書籍は2015年刊行であり、現在の税制とは異なる点があります。あくまで過去に起きた相続トラブルの一例としてお読みください。

会社を早期退職し父の賃貸管理業を手伝っていたCさん

埼玉県さいたま市のCさん(53歳)は、近郊農家の長男です。長年、会社勤めをしていましたが、早期退職して、お父さんが農業のかたわら経営している賃貸管理業を手伝っていました。

お父さんの資産は、市街化区域内農地が約3000坪、アパートが3棟、そのほか駐車場、貸し農地、資材置き場があり、相続税評価額は10億円に達します。ただし、借入金が2億円あるので、正味の資産額は8億円です。

アパートなどからは年間2000万円の賃料収入がありますが、固定資産税と管理費に年間500万円、ローンの支払いに同じく年間500万円、所得税・住民税が年間500万円ほどかかり、生計を一緒にしているCさん家族が自由に使えるのはわずか500万円しかありません。土地資産は多いものの現金が少ない、典型的な都市農家です。

私たちが相談を受けたとき、Cさんのお父さんは82歳。長年、農業に携わってこられましたが、数年前からはのんびり隠居生活を送っていらっしゃいました。ところが急に体調を崩して入院。検査の結果、肝臓がんで余命1カ月と言われてしまったのです。

「いったい相続税はいくら払うのか? どうやって支払えばよいのか? 今からでも節税する方法はないのか? もう目の前が真っ暗になってしまいました」とCさんは当時言っていました。

相談を受けた私たちから見た課題は次の三つでした。

(1) とにかく時間がない

(2) 現状(相続税評価額、相続税額、納税原資の把握)を早急に把握する必要がある

(3) 節税が最も緊急度が高く、また重要性もある

◆財産診断からのステップ

Cさんのお父さんは、意識ははっきりしていらっしゃいました。そこで、私たちが提案したのは、時価と相続税評価額の乖離が大きい収益不動産の取得です。具体的には、次のように進めていきました。

(1) 財産診断

名寄帳(固定資産評価の一覧)や確定申告書、ローン返済表、案内図を預かり、財産診断を3日で行いました。通常は1週間かけて現地確認、財産目録作成、相続税評価額算出、相続財産ごとの収益性分析、不良資産・優良資産の判断を行うのですが、当時は急を要するというので、他の業務をすべてキャンセルし、3日で行いました。

(2) 相続税額の算出

相続税額を概算で算出したところトータルで2億6000万円ほどになりました。配偶者控除を満額使うと1億3000万円です。しかし、現金はほとんどなく、そのままでは土地の一部を売却して納税することになりそうでした。

(3) 相続財産の収益性分析と不良資産・優良資産の判別

相続財産一つひとつの収益性を分析したところ、アパート、駐車場、貸し農地、資材置き場のすべてにおいて収益性が悪く、総資産利益率(ROA)はわずか2%でした。未利用地というわけではないのですが、いずれもうまく利用できていない土地ばかりだったからです。そこで、特に収益性の悪い貸し農地を売却して納税資金に充てることを基本方針としました。

(4) 時価と相続税評価額の乖離が大きい収益不動産の取得

時価と相続税評価額の乖離が大きく、かつ収益性があり、資産価値が落ちにくい優良不動産を探すのは大変なことです。不動産市場に売りに出ている物件のうち、条件に合うのはせいぜい100件に1件あるかどうかでしょう。

個人のオーナーが所有していて、オーナーチェンジで売り出されている物件は、建物や設備の不具合が隠れているケースが多く、表面利回りのよさだけにひかれて購入すると、失敗することがあります。

その点、信頼のできる大手や準大手の不動産会社が商品化したものであれば、一定の品質と利回りが確保されているので、不安は少ないといえます。ただし、中には割高なものも混じっているので、収入と支出を慎重に見なければ、実質利回りの低いものを買ってしまい、あとあとローンの支払いに窮することになりかねません。

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最終更新:9/19(木) 11:00
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