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ボルトン解任が日本にもたらす悪夢

9/19(木) 12:40配信

JBpress

 (北村 淳:軍事社会学者)

 トランプ大統領がジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官を解任した。

 ボルトン元国連大使は、トランプ大統領にとってマイケル・フリン(退役陸軍中将、およそ3週間で解任)、ハーバート・マクマスター(陸軍中将、およそ13カ月で解任)に続く3人目の国家安全保障問題担当大統領補佐官であった。およそ1年半にわたり補佐官を務めたが、意見の対立がトランプ大統領の我慢の限界を超えたため、解任されたのだ。

■ 方向性は同じだった対イラン政策

 対イラン“超”強硬派、対北朝鮮強硬派のボルトン補佐官が、対イラン政策ならびに対北朝鮮政策でトランプ大統領と対立していたことはよく知られていた。

 ただし、トランプ大統領がボルトン補佐官を解任する最大の意見の相違は、対イラン政策より対北朝鮮政策にあったと考えられる。この時期にボルトン氏を解任するということは、多かれ少なかれ、来年の大統領選挙を意識しての判断であったと考えるのが至当であるからだ。

 対イラン政策はイスラエル問題と直結しているし、イスラム教とキリスト教という宗教問題とも関係している。そのため、ユダヤ系アメリカ市民はもちろんのこと、多くの米国民にとっても、ある程度の対イラン強硬姿勢は受け入れられやすい外交方針である。

 もちろん親イスラエル派のトランプ大統領は、イランに対して強硬姿勢を堅持している。しかし、軍事攻撃をも辞さない対イラン“超”強硬派かつ“超”親イスラエル派のボルトン氏の対イラン戦略には、トランプ大統領も躊躇せざるを得なかったようである。

 つまり、ボルトンとトランプとの対イラン政策に関する対立は、イランに対する強硬姿勢の「度合い」の程度の差であった。

■ 対北朝鮮政策での決定的な対立

 これに対して、両者の対北朝鮮政策には決定的な差があった。金正恩書記長との「手打ち」を目指しているトランプ大統領にとって、その目論見を(結果的には)阻止してきたボルトン補佐官との対立は歩み寄りが不可能だったと言ってよい。

 トランプ大統領にとって金正恩書記長との「手打ち」、すなわち北朝鮮との「表面的な関係正常化」は、来年の大統領再選ならびに大統領としての歴史に残る外交的業績として極めて重要であるからだ。

 すでに朝鮮戦争停戦以降66年も経過した現在、トランプ自身を含めて多くのアメリカ国民にとって、アメリカと北朝鮮との敵対関係、すなわち北朝鮮問題は、「北朝鮮がICBM(北朝鮮からアメリカ本土に到達する核弾頭搭載大陸間弾道ミサイル)を完成させ実戦配備させるのか否か?」に関する問題に集約することが可能である。それ以外の北朝鮮情勢は、極東戦略専門家以外のアメリカ国民にとってはさほどの関心事ではない。

 要するにトランプ政権にとっては、ICBM開発配備問題で金正恩政権と「手打ち」さえすれば北朝鮮との関係を正常化できるのである。

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最終更新:9/19(木) 12:40
JBpress

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