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「iPhone 11 Pro」ハンズオン! カメラだけじゃない、画質・音質も大幅進化した

9/19(木) 11:39配信

PHILE WEB

アップルから3つの新しいiPhoneが登場する。今回も発売前に実機を試すことができた。特に、プロも満足させるハイクオリティを謳う「iPhone 11 Pro」シリーズの目を見張る画質向上と、内蔵スピーカーによるオーディオ再生の新たな試み「空間オーディオ」が面白かった。アップルが一番強く主張しているカメラ機能の向上も含め、早速レポートしていきたい。

■“中味”も大きく2018年のiPhoneから進化している

2019年の秋に発売される機種は、新開発の有機ELディスプレイ「Super Retina XDR」を搭載する5.8インチの「iPhone 11 Pro」と6.5インチの「iPhone 11 Pro Max」に、液晶ディスプレイのLiquid Retina HDを搭載した6.1インチの「iPhone 11」だ。

ディスプレイのサイズ構成は2018年発売のモデルから変わっていないが、iPhone 11 Proシリーズが搭載するSuper Retina XDRディスプレイは、コントラスト比が従来の100万対1から200万対1に、ピーク輝度時の表示限界が625nitsから800nitsまで向上している。

さらにSuper Retina XDRディスプレイはHDR10とDolby VisionによるHDR対応の映像コンテンツや、HDR静止画を再生時に表示できるピーク輝度が1,200nitsまで確保されている。実際の画質についてはこのあと報告したい。

iPhone 11が搭載する6.1インチのLiquid Retina HDディスプレイは、2018年に発売されたiPhone XRと表示性能は同じ。HDRには非対応だが、明るく素直な色再現を同じ特徴としている。

なお2019年発売のiPhoneから、パネルを押し込む操作に機能を割り当てられるユーザーインターフェースである3D Touchが非搭載となり、iPhone XRと同じ触覚タッチ(Haptic Touch)に変更された。操作感に大きな変化はない。

3つの新製品ともSoCには最新の「A13 Bionic」を搭載した。Neural Engineによるリアルタイムの機械学習処理速度は最大20%向上、消費電力も15%効率化されたことにより、マルチレンズユニットを搭載するカメラシステムやARアプリの処理性能が向上した。Face IDは、従来機種と比べ、端末と顔の距離が遠くてもロック解除できるようになった。

内蔵バッテリーによる駆動時間はiPhone 11 ProがiPhone XSと比べて約4時間、iPhone 11 Pro MaxがiPhone XS Maxよりも約5時間長くなった。iPhone 11は元から長時間駆動を特徴とするiPhone XRと比べて1時間アップしている。

そのほか、3つの新しいiPhoneに共通する特徴は、iPhone専用に開発された“スマホの中で一番強い”という強化ガラスを端末の表裏両面に採用したことだ。マルチレンズを搭載するカメラユニットも含め、背面をまるごと1枚のガラスパネルでカバーする。iPhone 11 Proシリーズはマットな質感の磨りガラス。光の拡散効果が活かされ、4つのバリエーションを設けた本体色のメタリックな輝きがさらに映える。

2018年のiPhoneから変更されなかった点は、Lightningコネクタが引き続き搭載されたことだ。ただしアダプターが変わったため、USB-C/Lightningケーブルが同梱されることになった。MacBookの新しいモデルにiPhoneを直接つなげるので便利だ。従来のLightning/USB-Aタイプのアダプタとケーブルも引き続き使える。

またQi対応のワイヤレス充電パッドによるワイヤレスチャージにも対応しているが、発表前に噂されていた、AirPodsなど外部機器にiPhoneからワイヤレス給電ができるリバースチャージは搭載されていないようだ。

■引き込まれるSuper Retina XDRディスプレイの高画質

iPhone 11 Proシリーズに搭載されたSuper Retina XDRディスプレイの画質には目を見張るものがあった。筆者が所有するiPhone Xは、HDR表示対応で、コントラスト性能は100万対1、最大輝度は625nitsというスペックのSuper Retina HDディスプレイを搭載している。iPhone 11 Pro MaxとiPhone Xを並べ、画面輝度を最大の状態にして、Netflixで映画「ROME/ローマ」の映像を見比べてみた。

物語終盤の海辺のシーン。太陽の光がiPhone 11 Pro Maxでは段違いに力強く、眩しいほどに感じられる。色彩の自然な再現性も、歴代の有機ELを搭載したiPhoneのテイストを継承している。映像の深み、コントラスト感も段違いに高い。例えば浜の砂粒、打ち寄せる波の立体感が際立っている。人物のクローズアップシーンでも、Super Retina XDRディスプレイのリアルで繊細な陰影の表現力に圧倒される。空間の奥行き表現も巧みで、遠くまで深く描けている。

■空間オーディオの力強さは想像以上

サウンド面もチェックしよう。音では、新たに加わったiPhoneの内蔵スピーカーによる「空間オーディオ(Spatial audio playback)」機能が秀逸だ。

新しいステレオスピーカーユニットに加えて、A13 BionicのDSPによる独自の音声信号処理により、映画に限らずApple Musicの音楽コンテンツもすべてパワフルで臨場感豊かなサウンドで再現される。

ステレオスピーカーの開口部は片側がパネルの正面、もう片側が側面に向いて配置されているが、効果音のバランスに左右の偏りは感じられない。頭の後側へ音が均等に心地よく回り込む。映画のセリフ、音楽のボーカルの定位感も非常に鮮明だ。iPhone XS Maxと比べてみないと正確な判断はできないが、内蔵スピーカーの音圧自体も上がっているように感じた。

この空間オーディオは、iPhone 11も含めた3機種に共通して搭載される新機能だ。iPhone XR以降の機種が、iOS 13と組み合わせてドルビーアトモスに対応することも含め、iPhoneによるオーディオ再生が、エンターテインメント性とクオリティの両面で大きな進化を遂げたことを歓迎したい。

なおドルビーアトモス再生については内蔵スピーカーだけでなく、ヘッドホンやイヤホン再生(ワイヤレス・ワイヤードともに)でも効果があるように感じられるが、アップルに公式な情報がないため確認できていない。引き続き調べてみたいと思う。

■スマホで撮れるシーンを広げてくれるマルチレンズカメラ

iPhone 11 Proには3つの画角と焦点距離が異なるレンズによるトリプルレンズカメラユニットが搭載されている。レンズ構成の内訳は超広角(13mm)/広角(26mm)/望遠(52mm)の3種。iPhone 11は超広角と広角のダブルレンズカメラユニットになる。

新しいカメラは、複数のレンズで画角を変えて静止画と動画が撮影できるだけではない。それぞれのレンズユニットが一つのシステムとして連動し、フォーカスの追従を揃えたり、明暗・色彩・ホワイトバランスを整えながら静止画・動画を記録する。iPhone 11 Proシリーズの場合は広角・望遠、iPhone 11では広角で撮影した際、超広角側のデータも同時に記録して、フレームの外側の領域にあった被写体も後からトリミング編集できる、構図の調整機能が搭載されている。

構図の調整機能は写真と動画の両方で使える。補正に使用しなかったデータは、iPhoneのストレージが逼迫しないよう、30日後に自動削除される。

レンズ交換式の一眼レフカメラの場合、超広角レンズは画角の調整や歪曲収差のコントロールが難しいため、通常のポートレートやスナップ撮影よりもアーティスティックな作品をつくったり、室内の全景を収めるなど、何かしらの意図を持った撮影に使われることが多い。

一方のiPhoneの場合、先に紹介した構図の調整に活用したり、スマホのカメラで撮れるシーンの視野を広げる機能として、気軽に楽しむのが良いと思う。マルチレンズカメラユニットの使いこなしについては、またTIPSとして紹介したいと思う。

その他、カメラ機能として注目したい「ナイトモード」は、iPhoneの標準カメラ機能として組み込まれた。暗い場所で写真を撮ろうとすると、画面にアイコンとともに「●秒」という時間表示が出る。この時にシャッターを切ると、その間にiPhoneを持つ手を動かさないよう、画面にアラートとカウントダウンが表示される。

しっかりとホールドしている間にセンサーが記録した複数枚ぶんの画像データをもとにA13 Bionicが素速く合成処理を行い、1枚の静止画データとして記録する。バースト(連写)撮影とは異なり、また表示された秒数のあいだに露光するバルブ撮影でもないため、夜の雰囲気を残しつつ、シャープで色合いも鮮明な写真撮影が楽しめる。iPhone Xで同じ場所を撮影した静止画と比べると、大きな差が現れる。

ポートレート撮影には被写体の背景を白バックに置き換えてアーティスティックな写真が残せる「ハイキー照明(モノ)」が追加されたほか、「スタジオ照明」には照明効果の強弱を調整できる機能が加わった。照明効果を変えて人物を撮影すると、いわゆる美肌撮影のコントロールができるようになる。

4K動画の撮影では、2019年モデルのiPhoneでは、より高画質な4K/60fps撮影が可能になった。iPhone Xでも4K/60fpsビデオ撮影を選択できたが、1フレームで標準の明るさと、露出を変えた2枚の画像を記録して足し合わせる拡張ダイナミックスレンジ処理を行う場合、仕上がりは4K/30fpsになっていた。それに対して、2019年モデルでは内部的に4K/120fps撮影を行っているため、拡張ダイナミックスレンジ処理を行っても4K/60fps撮影が行えるようになった。

イン側のTrueDepthカメラも12MPのセンサーに強化され、4K動画撮影、広角セルフィ撮影やフルHD/120fpsのハイフレームレート撮影の機能が加わった。

静止画モードの時にもとっさに動画が撮影できる「QuickTake」も新設機能だ。シャッターアイコンを長押しすると、H.265/HEVC形式の動画ファイル記録に切り替わる。カメラの設定から「構図」の「ビデオのフレームの外側を含めて撮影」をオンにしておくと、超広角レンズの撮影データも同時に記録されるので、ファインダーからフレームアウトした人物や物体もしっかり残せる。なお、従来はシャッターアイコンの長押し操作に割り当てられていたバースト撮影は、アイコンをホールドして左に動かす操作に変更されている。

■圧倒的に高いコスパを実現したiPhone 11

iPhone 11については、ハードウェアとして搭載していない望遠レンズに由来する機能性以外は、ほぼ上位のiPhone 11 Proと同等。HDR非対応ながら、明るく色鮮やかな6.1インチの液晶Liquid Retina HDディスプレイを搭載している。内蔵ストレージ64GBのモデルが74,800円から購入できるという、かなり高コスパな最新iPhoneが誕生した。以前のモデルを使い続けてきた方に、いま買い換えを薦めるならこのモデルだ。

新色としてグリーンとパープルが追加された。本機も表裏側ともに“スマホの中で一番強い”という強化ガラスが使われており、メタル部分はProシリーズがステンレス、iPhone 11はアルミニウムになる。リアパネルはクリアガラスとして、淡いパステル調のボディカラーを引き立たせる。

■iPhone 11シリーズは今が買い時

今年から欧米、韓国で先行して5Gの高速通信サービスの商用化が始まり、昨日にはNTTドコモがをiPhoneの発売日と同じ9月20日に5Gのプレサービスを開始することを発表した。当サイトでもすでに報じている。

一部にはiPhoneが5Gに対応するまで買い換えを待った方が得策という声もあるようだが、筆者は、そうではないと考える。なぜならWi‑Fi 6や、アップル独自開発のU1チップによる超広帯域通信など、iPhone 11シリーズには5Gよりも直近で実用性の高い次世代の通信テクノロジーが搭載されており、それが徐々にアンロックされそうだからだ。

ちなみにU1チップとiOS 13を搭載するiPhone同士であれば、まずは端末を相手に向けてより正確でセキュアなAirDropによるファイルの受け渡しができるようになる。ほかに今後も様々な“できること”が追加されそうだ。

またiPhone 11シリーズはどの機種も、eSIM対応のDual SIM仕様となっている。海外へ頻繁に出かけるビジネスパーソンにはとても使い勝手の良い機能なので、ぜひ注目してほしいと思う。

来年に国内で5Gの商用化がスタートしても、本格的にインフラが整ってスマホ向けの高画質・高音質コンテンツの配信サービスが整うまでには、まだ少し時間がかかだろう。その間にまた端末の買い替え時期が来るかもしれない。ならば、いま目の前にあるiPhone 11 Proシリーズの高画質・高音質を楽しみ尽くす方が賢明ではないだろうか。

山本敦

最終更新:9/19(木) 11:39
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